ポール・クック

ポール・クック：パンクロックの象徴

ポール・クック（Paul Cook）は1956年7月20日生まれのイングランド出身のドラマーで、特にパンク・ロックバンドのセックス・ピストルズでの活動で知られています。彼はロンドンのハマースミスで育ち、音楽に目覚めたのは若い頃からでした。友人のスティーヴ・ジョーンズとともにピストルズに参加した彼は、その後のパンクロックシーンに大きな影響を与えることになります。

クックは、バンドが注目を浴びるようになるまでは、しばしば脱退を考えたり、電気工事の仕事に転職しようとしたりと、波乱に満ちた思春期を送っていました。彼の性格は控えめで生真面目であり、バンドの他のメンバーたちとは異なるアプローチで音楽に取り組んでいました。ドラムに関しては「まるでローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツのような単調さ」と評されることもあり、そのスタイルは賛否が分かれることもありました。

ピストルズのマネージャーであるマルコム・マクラーレンは、彼がドラマーに適した理由を「恐れを知らず、時間に正確だから」と説明しています。これは、彼のドラムがバンドのビートを担う上で非常に重要だったことを示しています。クックはまた、シングル「アナーキー・イン・ザ・UK」のレコーディングでは、プロデューサーのクリス・トーマスを提案するなど、音楽のクオリティに対して真剣に取り組んでいました。

セックス・ピストルズの解散後、クックはスティーヴ・ジョーンズと共に「プロフェッショナルズ」を結成し、彼の音楽キャリアは続いていきます。プロフェッショナルズは2枚のアルバムをリリースしましたが、1982年には解散し、彼は新たな道を歩むことになりました。その後、クックは「チーフ・オブ・リリーフ」というバンドを結成し、一度日本に来たこともあります。

興味深いことに、1996年に再結成したセックス・ピストルズが初来日した際、彼はエドウィン・コリンズのバックバンドとして訪れていたのですが、ジャーナリストたちは彼に「初来日」としてインタビューを行うので、驚きと困惑を感じたそうです。これは、音楽シーンの中でクックの存在がどのように捉えられているかを物語っています。

2007年には、クックはロンドンのシェパーズ・ブッシュで妻と娘と共に生活し、エドウィン・コリンズのセッションミュージシャンとしての活動を続けていました。彼のキャリアは、音楽に対する真摯な姿勢や控えめな性格が反映されたものとなっています。ポール・クックは今なお、パンクロックの歴史の中で欠かすことのできない存在として輝いています。

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