ポール・クレストン

ポール・クレストン（Paul Creston, 1906年10月10日 - 1985年8月24日）は、アメリカ合衆国の作曲家、オルガニストです。本名はジュゼッペ・グットヴェッジョ（Giuseppe Guttoveggio）で、イタリア系の血を引いています。

生涯

ニューヨークで生まれたクレストンは、15歳で学校を中退後、独学で音楽を学び始めました。オルガニストとして働きながら作曲の腕を磨き、ヘンリー・カウエルに才能を認められたことがきっかけで、《ピアノのための5つのダンス》作品1で作曲家としてデビューを果たします。

1938年にはグッゲンハイム奨学金を受け、1940年に作曲した《交響曲第一番》は、ニューヨーク批評家協会賞を受賞。さらに、1952年のパリ・レファレンダム国際作曲コンクールで第1位を獲得するなど、国際的な評価を確立しました。

教師としても活動し、ジョン・コリリアーノ、チャールズ＝ローランド・ベリー、ジャズミュージシャンのラスティー・デドリック、チャーリー・クィーナーなど、多岐にわたるジャンルの音楽家を育成しました。また、リズム法や記譜法に関する理論書も著しています。

1956年には全米作曲家・指揮者協会の会長に、1960年から1968年まで米国作曲家作詞家出版者協会（ASCAP）の会長を務めました。

1985年、カリフォルニア州サンディエゴで生涯を閉じました。

作風

クレストンの作風は、全体的に保守的な傾向が強く、調的な様式と、リズムを重視した音楽性が特徴です。彼の作品の中には、ウォルト・ホイットマンの詩からインスピレーションを得たものも存在します。吹奏楽曲においては、「ザノーニ」作品40や「プレリュードとダンス」作品76などが、現在でも広く演奏されています。

主要作品

交響曲: 6曲
ヴァイオリン協奏曲: 2曲
マリンバ小協奏曲 作品21
ピアノ協奏曲 作品43
2台のピアノのための協奏曲 作品50
アコーディオン協奏曲 作品75
サクソフォーン協奏曲
トロンボーンとオーケストラのための幻想曲
アルトサクソフォーンのための狂詩曲
サクソフォーン・ソナタ 作品19

著作

Principles of Rhythm (1964)
Rational metric notation : the mathematical basis of meters, symbols, and note-values (1979)

参考文献

Simmons, Walter. Voices in the Wilderness: Six American Neo-Romantic Composers. (2006)
Slomski, Monica J. Paul Creston : a bio-bibliography. (1994)

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