ポール・ピアース

ポール・ピアース：セルティックスを愛した真実（ザ・トゥルース）

ポール・アンソニー・ピアース（Paul Anthony Pierce, 1977年10月13日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州オークランド出身の元プロバスケットボール選手です。NBAのボストン・セルティックスでフランチャイズプレーヤーとして活躍し、「The Truth（ザ・トゥルース）」の愛称で親しまれました。ポジションは主にスモールフォワード。

生い立ちとNBA入り

名門カンザス大学ジェイホークスでスター選手として活躍し、オールアメリカンの1stチームにも選出。1998年のNBAドラフトでは、自身が最も嫌っていたボストン・セルティックスから全体10位指名を受け、プロのキャリアをスタートさせました。上位3位以内が確実視されていたピアースにとって、10位という指名順位は予想外であり、チームメイトのレイフ・ラフレンツよりも下位でした。

セルティックスを嫌っていた理由は、少年時代からのロサンゼルス・レイカーズファンだったからです。ドラフト前の発言がスカウト陣の印象を悪くしたとも言われていますが、ルーキーシーズンから16.5得点、6.4リバウンドという好成績を残し、オールルーキー1stチームに選出されました。

刺傷事件からの復活

プロ入り3年目を迎える直前の2000年9月、ピアースはロサンゼルスのクラブで暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負いました。全身11箇所を刺されるという重傷でしたが、驚異的な回復力で約1ヶ月後の開幕戦に復帰。全82試合に先発出場し、平均25.3得点を挙げる活躍を見せました。

セルティックスのフランチャイズプレーヤーへ

ピアースはセルティックスの新たなフランチャイズプレーヤーとして成長し、アントワン・ウォーカーとのコンビでチームをカンファレンスファイナルまで導きました。2002年、2003年にはオールNBAサードチームに選出され、NBAオールスターゲームにも5回出場しています。

チーム成績が低迷した時期もありましたが、チームへの補強を強く要求した結果、レイ・アレン、ケビン・ガーネットというスター選手が加入。リーグ屈指のビッグスリーが結成されました。

2008年のNBA制覇とファイナルMVP

2007-08シーズン、セルティックスはレギュラーシーズンを全体1位で通過し、プレーオフでも勝ち進み、NBAファイナルでロサンゼルス・レイカーズを破り、優勝を果たしました。ピアースはファイナルMVPに輝き、長年の夢を実現しました。

晩年と引退

その後、ブルックリン・ネッツ、ワシントン・ウィザーズ、ロサンゼルス・クリッパーズでプレーし、2016-17シーズン限りで引退を表明。2017年2月5日には、古巣ボストン・セルティックス戦に先発出場し、ファンから温かい声援を受けました。

2017年7月17日、ボストン・セルティックスと1日契約を結び、セルティックスの一員として引退。同年8月17日、セルティックスはピアースが着用していた背番号『34』を永久欠番にすると発表しました。

プレースタイルと人物像

ピアースは得点能力が高く、クラッチプレーにも強い選手でした。また、リーダーシップにも優れ、チームを鼓舞する存在でした。引退後もボストンを中心に活動し、セルティックスの優勝パレードにも参加するなど、セルティックスへの愛着を示しています。

受賞歴

NBAチャンピオン (2008)
NBAファイナルMVP (2008)
10× NBAオールスター (2002-2006, 2008-2012)
オールNBAセカンドチーム (2009)
オールNBAサードチーム (2002-2003, 2008)
NBAオールルーキー・ファーストチーム (1999)
NBAスリーポイントコンテスト優勝 (2010)
NBA75周年記念チーム
* No. 34 ボストン・セルティックス永久欠番

ポール・ピアースは、セルティックスの歴史に名を刻む偉大な選手として、これからも語り継がれていくでしょう。

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