マイアミ郡 (カンザス州)

マイアミ郡の概要

マイアミ郡（英: Miami County）は、アメリカ合衆国カンザス州の東部中央に位置し、カンザスシティ大都市圏に含まれています。2010年の国勢調査では人口が32,787人と記録されており、過去10年間で15.6%の人口増加が見られました。郡庁所在地であるパオラ市は、同郡内で最も人口の多い都市で、5,602人が居住しています。

歴史的背景

この地域には、1820年代から1840年代にかけてインディアンが最初の定住者として住み始めました。彼らは主にオハイオ州やイリノイ州、インディアナ州から強制的に移住させられた結果、当時のインディアン準州に落ち着いたのです。ここにはマイアミ族、ショーニー族、さらにはポタワトミー族などの部族が居住し、地域はインディアン居留地として広がっていました。当初のマイアミ・インディアン居留地は約50万エーカー（約204,000ヘクタール）の規模を誇っていました。

白人開拓者たちは、インディアンにキリスト教を伝えることを目的として訪れましたが、次第にアメリカ人開拓者が訪れるようになり、インディアンの土地は次第に削られていきました。具体的には、1854年までにアメリカ政府はマイアミ族から72,000エーカー（約288㎞²）の土地を購入し、居留地の面積を縮小しました。

南北戦争前の状況

1854年にカンザス・ネブラスカ法が施行され、この地域の政治状況は急変しました。マイアミ郡は奴隷制度を巡る対立の中心地となり、自由州を求める運動と奴隷制度擁護派との間で暴力沙汰が頻発しました。この時期、「血を流すカンザス」と呼ばれる激しい抗争が起こり、特にオサワトミー市はこの戦闘の舞台となりました。

郡名の由来

マイアミ郡は当初1855年にライキンズ郡として名付けられましたが、その後1861年に地域のインディアン、マイアミ族から名前が変更されました。ライキンズ博士はインディアンに対する伝道活動を行っていたが、その反奴隷制度の動きが強まる中で郡名も改名されました。

天然ガスの発見

1882年に天然ガスがマイアミ郡の田園部で発見され、その後ガスパイプラインが敷設されると、街の照明が天然ガスに取って代わるようになりました。この発見により、マイアミ郡は「ガスベルト」として知られるようになり、1887年には地域住民がその祝賀を行いました。

自然と地域活動

マイアミ郡はカンザスシティに近く、都市と田園の生活様式が融合しています。住民や観光客はゴルフ、ハイキング、釣り、狩猟など多様なレクリエーションを楽しむことができます。また、湖やキャンプ場もあり、自然を満喫できる環境が整っています。特にヒルズデール湖は郡内最大であり、様々なアウトドアアクティビティが楽しめます。

毎年春には「マイアミ郡農場ツアー」が開催され、地域の農場を訪れることができるイベントも定期的に行われています。これにより、住民や観光客が農業や地元の文化に触れる機会が提供されています。

法と政府

マイアミ郡はかつてアルコールを禁止する「ドライ」郡でしたが、1986年の修正で住民の投票によってアルコール飲料の販売が許可されました。飲食店においては、食料品の販売量の30%までという制限があります。

地理的特徴

郡の面積は590.15平方マイル（約1,528.5km²）で、うち576.72平方マイル（約1,493.7km²）が陸地です。隣接する郡との関係も持ち、特にジョンソン郡やミズーリ州のカス郡などと接しています。これにより、交通アクセスも良好です。

マイアミ郡は、独特の歴史と豊かな自然に恵まれた地域であり、訪れる人々に多彩な経験を提供しています。

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