マイカルハミングバード

株式会社マイカルハミングバードの歴史

はじめに

株式会社マイカルハミングバードは、日本の音楽業界において特有の存在感を持っていたレコード会社です。その前身である株式会社ハミングバードと共に、多くのアーティストを輩出し、音楽だけでなく映像事業にも進出しました。ここでは、ハミングバードの設立からマイカルハミングバードへの移行、そして最終的な清算までの歴史を振り返ります。

沿革の始まり

1983年2月23日、総合小売業のニチイが資本を持つ形で、株式会社ハミングバードが設立されました。この背景には、ニチイの社長である小林敏峯と、パイオニア社長との交友関係が影響しています。当初の社長には、読売新聞の記者出身でプロ野球のフロント業務を経験した難波昭二郎が就任しました。

特に1985年に中村あゆみのシングル『翼の折れたエンジェル』がヒットし、世間に名が知られることとなります。同年には浅香唯もデビューし、テレビドラマ『スケバン刑事III』での役が人気を集めました。このように、株式会社ハミングバードは在籍アーティストによるブレイクスルーがあり、成長を遂げていきます。

会社の変遷と進展

ハミングバード設立当初は、販売や製造においてビクター音楽産業や日本エイ・ブイ・シーと提携していましたが、パイオニアが資本参加したことにより、販売契約がパイオニアLDCへと移行しました。音楽業界が第2次バンドブームに突入した1990年には、女性バンドのPINK SAPPHIREが登場し、デビューシングルがヒットします。

1992年に旧ハミングバードが清算され、新たに株式会社マイカルハミングバードが設立されます。この新会社は、音楽事業を引き継ぎつつ、グループの広告や販促業務も統合しました。映像事業も引き続き行われ、特にハミングバード時代に展開していたtaxcoレーベルが設立され、ここでも様々な作品がリリースされます。

成功と困難

映像部門では、メガゾーン23やウルトラマンシリーズなどの人気作品が販売され、好評を博しました。音楽部門でも松田樹利亜のヒットがありましたが、その後は大型アーティストに恵まれない状況が続きました。こうした経緯から、1994年に音楽や映像事業をwea japanに譲渡し、同年にマイカルハミングバードは清算されます。

アーティストたちの遺産

マイカルハミングバードに所属していたアーティストには、浅香唯、中村あゆみ、PINK SAPPHIREなど、多くの有名な名前がありました。彼らの多くはwea japanに移籍とともに、過去の作品が新たにリリースされました。レーベル名も消えつつありますが、一部の作品は今でも再発売されています。

結論

株式会社マイカルハミングバードの歴史は、音楽と映像の交差点に立ちつつ、様々な成功と悲劇を体験した物語です。多くのアーティストを輩出し、短い期間ではありましたが、独自の足跡を音楽界に残しました。過去の作品やアーティストの影響は今でも語り継がれ、レコード会社としての存在価値を示しています。

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