マイクロンメモリジャパン

マイクロンメモリジャパン株式会社の歴史

マイクロンメモリジャパン株式会社（略称：MMJ）は、最先端の半導体メモリ製品を手がける企業で、広島県東広島市に本社を構えています。特に、DRAMおよびNAND型フラッシュメモリの開発、生産および設計を行っています。また、アメリカのマイクロン・テクノロジ（MTI）の傘下で事業を展開しており、マイクロンジャパン（MJP）とも提携関係にあります。ここでは、同社およびその前身であるエルピーダメモリ株式会社（略称：エルピーダ）の歴史的背景と成り立ちを詳しく振り返ります。

設立背景と初期の経営

1999年12月20日、NECと日立製作所のDRAM事業部門が統合し、NEC日立メモリを設立しました。しかし、設立早々、経営者が交互に入れ替わるなどの内部問題が続き、業績は低迷しました。その後、2000年頃から世界的なパソコンの売上が低下し、DRAMの価格も急落しました。

価格カルテル疑惑

2002年には、アメリカの司法省が主要なDRAMメーカーに対して厳しい調査を開始しました。特に、価格カルテルが疑われ、4社（サムスン電子、ハイニックス、インフィニオン、NEC日立メモリ）が訴訟の対象となりました。マイクロン・テクノロジは司法取引に応じ、この訴訟からは免れましたが、業界全体への影響は大きく、エルピーダも2006年に和解金8400万ドルを支払うこととなりました。

津波のような影響

2008年頃、サブプライム信用危機が発生し、世界的な金融危機に見舞われました。日本もその影響を受け、円高が進む中で、エルピーダメモリの収益性は急激に悪化しました。さらに、同社は2009年に産業活力再生法の適用を申請し、公的資金の投入を受けることになりました。

会社更生法申請

2012年には、経済状況が厳しさを増し、エルピーダメモリはついに会社更生法を申請しました。この時、負債は4480億円に及び、製造業では最大の倒産案件となりました。しかし、会社更生の手続きを経て、マイクロン・テクノロジとのスポンサー契約が結ばれ、同年7月には完全子会社化されました。

マイクロンとの統合と成長

マイクロンによる買収後、エルピーダメモリはマイクロンメモリジャパンに商号を変更し、さらなる成長を目指しました。マイクロンは日本に130億ドル以上の投資を行い、広島工場の増強を進めました。2022年には、世界で初めて1β世代DRAMの量産を開始し、特定のスマートフォンメーカーへの供給も始まりました。

現在の事業展開

本社が広島に移転された後、マイクロンは新しい製造施設を建設する計画を発表しています。日本政府からも支援を受け、重要な半導体生産を国内で行うための施策が進められています。マイクロンメモリジャパンは、今後も日本の半導体産業を牽引する存在として、ますます発展を遂げることでしょう。

もう一度検索