マイク・キンケード

マイケル・キンケード：阪神で愛されたユーティリティープレイヤー

マイケル・アーサー・キンケード（Michael Arthur "Mike" Kinkade , 1973年5月6日 - ）は、アメリカ合衆国ミシガン州出身の元プロ野球選手です。主に三塁手を務めましたが、投手以外の全てのポジションをこなすユーティリティープレイヤーとして知られています。2004年には阪神タイガースに所属し、「キンちゃん」の愛称でファンに親しまれました。

プロ入りとメジャーリーグでの活躍

ワシントン州立大学在学中の1994年にミルウォーキー・ブルワーズからドラフト指名を受けましたが、契約には至らず。翌1995年に改めてブルワーズから指名されプロ入りを果たしました。1998年にはニューヨーク・メッツに移籍し、同年9月にメジャーデビュー。翌1999年にはメジャー初本塁打を記録しました。

シドニーオリンピック金メダルと阪神タイガースへの入団

2000年には、シドニーオリンピックに野球アメリカ合衆国代表として出場し、金メダルを獲得。同年途中にボルチモア・オリオールズへ移籍し、出場機会を増やしました。2002年からはロサンゼルス・ドジャースに2シーズン在籍した後、2003年12月3日に阪神タイガースへ入団しました。

阪神タイガースでの苦難と短い活躍

2004年のオープン戦では打率4割を記録するなど好調で、内外野に加えて捕手も守れるユーティリティー性から大きな期待が寄せられました。しかし、シーズンに入ると、日本初打席で死球を受けるなど、厳しい内角攻めに苦しみました。4月9日には頭部への死球を受けて途中退場。さらに、5月には左手薬指を骨折し、二軍での調整が続きました。

8月には、ジョージ・アリアスの不振により一軍へ昇格。代打でヒットを放ち、翌日には一塁手としてスタメン出場しましたが、ダイビングキャッチを試みた際に再び負傷。その後は二軍に戻り、10月17日に退団が発表されました。

その後

阪神退団後、東北楽天ゴールデンイーグルスが獲得するという報道もありましたが実現せず。クリーブランド・インディアンスと契約しAAA級でプレーしました。その後も、フロリダ・マーリンズ、シカゴ・カブス、ニューヨーク・ヤンキースなどのマイナーリーグや独立リーグでプレーし、2008年にシアトル・マリナーズのAAA級で現役を引退しました。引退後は、マリナーズ傘下A級チームで打撃コーチを務めました。

プレースタイルと特徴

キンケードは、日本ではわずか26試合の出場でしたが、12個の死球を受けるという記録が残っています。メジャーリーグ時代とは対照的に、日本では内角攻めに苦しめられました。打撃面では、パワーと広角に打ち分ける柔軟性を持ち合わせており、阪神入団後のキャンプでは柵越えを連発していました。本塁打を打った際に全力疾走する姿は、「キンちゃん走り」と呼ばれました。守備面では、外野だけでなく一塁、三塁、捕手もこなすことができ、ユーティリティープレイヤーとしてチームに貢献しました。

退場処分

開幕戦でストライク判定に不服を示し、球審に暴言を吐き退場処分を受けています。開幕戦での退場処分は非常に珍しく、1958年以来の記録となりました。

詳細情報

ポジション: 内野手、外野手、捕手
初出場: 2004年4月2日
* 初本塁打: 2004年4月4日

まとめ

マイケル・キンケードは、阪神タイガースでの短い期間でしたが、そのユーティリティー性と愛嬌のあるキャラクターでファンに愛された選手でした。メジャーリーグ、オリンピック、そして日本での経験を通じて、野球人生を彩りました。

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