マイク・レズニック

マイク・レズニック（本名：マイケル・ダイアモンド・レズニック）は、1942年3月5日にシカゴで生まれ、2020年1月9日に生涯を閉じたアメリカのSF作家です。1960年代から活動を始め、その多作さから「作家職人」とも呼ばれました。SFファンダムにも長年参加しており、娘のローラ・レズニックもSF作家として活躍しています。

作品の特徴

レズニックの作品には、主に二つのテーマが見られます。一つは寓話と伝説を好む傾向です。彼の作品は、伝説のように読めるものが多く、登場人物の名前も華やかで、冒険譚は伝説的な色彩を帯びています。また、レズニックは歴史や伝説の形成にも関心を抱いており、自作の詩を挿入することも特徴です。例えば、作品『The Outpost』では、多角的な視点からストーリーが描かれ、詩人が話を誇張して伝える様子が描かれています。この系統の作品には、西部劇的な要素も含まれています。

もう一つの主要なテーマはアフリカです。彼はアフリカの歴史、文化、植民地主義とその影響、伝統主義などを扱い、そのためにしばしばアフリカを訪れていました。彼のアフリカ体験は、作品に大きな影響を与えており、アフリカの歴史や政治をテーマにした寓話的なSF作品や、アフリカを舞台にした作品、アフリカ人を登場させた作品など、多岐にわたります。

The Birthright Universe

レズニックの多くのSF作品は、共通の未来史を舞台としています。この未来史は、比較的近い未来から数万年後の遠い未来までを扱い、時代は《共和制》、《民主制》、《寡頭制》、《独裁制》、《無政府制》と変遷します。この世界観は、その全時代を描いた作品『Birthright: The Book of Man』（1982年、未訳）にちなんで「The Birthright Universe」と呼ばれています。このシリーズには、多くの作品が含まれており、彼の作品世界を形作る上で重要な要素となっています。

日本語訳された作品

以下は、日本語訳されたレズニックの主な作品リストです。

『ソウルイーターを追え』 The Soul Eater （1981年）※
『暗殺者の惑星』 Walpurgis III （1982年）※
『サンティアゴ －はるかなる未来の叙事詩』 Santiago （1986年）※
『一角獣をさがせ！』 Stalking the Unicorn!: A Fable of Tonight （1987年）：ファンタジー
『アイヴォリー －ある象牙の物語』 Ivory （1988年）※
『パラダイス －楽園と呼ばれた星』 Paradise - A Chronicle of a Distant World （1989年）※
『休戦地帯』 （1989年）：オムニバス
『キリンヤガ』 Kirinyaga （1998年）：オムニバス
「もうしぶんのない朝を、ジャッカルとともに」 One Perfect Morning, with Jackals （1991年）
「キリンヤガ」 Kirinyaga （1988年）：ヒューゴー賞受賞
「空にふれた少女」 For I Have Touched the Sky （1989年）
「ブワナ」 Bwana （1990年）
「マナモウキ」 The Manamouki （1990年）：ヒューゴー賞受賞
「ドライ・リバーの歌」 Song of a Dry River （1992年）
「ロートスと槍」 The Lotus and the Spear （1992年）
「ささやかな知識」 A Little Knowledge （1994年）
「古き神々の死すとき」 When the Old Gods Die （1995年）：ローカス賞受賞
「ノドの地」 The Land of Nod （1996年）
『スターシップ―反乱』 Starship: Mutiny （2005年）※
『スターシップ―海賊』 Starship: Pirate （2006年）※

（※印はThe Birthright Universeの作品です。）

受賞歴

レズニックは、「オルドヴァイ渓谷七景」、「キリンヤガ」などでヒューゴー賞を受賞しており、SF界で広く認知された作家です。その多作ぶりと、独特な作風は、多くのファンを魅了しました。

外部リンク

* The Official Mike Resnick Web Resource

レズニックの作品は、寓話的な物語とアフリカをテーマにしたSF作品、そして壮大な未来史を描いたシリーズなど、バラエティに富んでいます。彼の作品を読むことは、SFの多様な魅力を体験する良い機会となるでしょう。

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