マイケル・ソマレ

サー・マイケル・トーマス・ソマレ：パプアニューギニアの「国民の父」

サー・マイケル・トーマス・ソマレ（Sir Michael Thomas Somare、1936年4月9日 - 2021年2月26日）は、パプアニューギニアの政治史において、最も重要な人物の一人です。彼は同国の首相を5期務め、建国から間もないパプアニューギニアの発展に大きく貢献しました。

生涯と政治経歴

ラバウルで生まれたソマレは、教員や放送記者を経て政治の世界へ足を踏み入れました。1965年にはパング党を結成し、パプアニューギニアの独立運動を主導しました。1975年9月、パプアニューギニアが独立を果たすと、初代首相に就任。「祖国の英雄」として国民から敬愛される存在となりました。

その後も、1982年に再び首相に選出され、1988年から1999年まで外務大臣を2期務めるなど、要職を歴任しました。1997年には国民同盟党を旗揚げし、2002年6月の総選挙で同党が第1党となると、三度首相に就任しました。

2011年には、健康上の理由で一時首相を辞任しましたが、最高裁判所の判断により復帰。しかし、2012年の総選挙で人民国民会議が第1党となり、ピーター・オニールが首相に選出されたことで、ソマレの首相としてのキャリアは終焉を迎えました。

「国民の父」としての功績

ソマレは、パプアニューギニアの独立と国家建設に尽力したことから、「国民の父」として広く慕われています。彼のリーダーシップの下、パプアニューギニアは政治的、経済的に安定し、国際社会における地位を確立しました。その功績を称え、パプアニューギニアで発行されている50キナ紙幣の裏面には、彼の肖像が描かれています。

日本との関係

ソマレは、日本との間にも深い繋がりを持っていました。青年時代には日本を訪れ、各地を旅した経験があります。また、日本船舶振興会（現日本財団）の初代会長であった笹川良一が、遺骨収集のためにラバウルを訪問した際には、協力しました。笹川はソマレを支援するようになり、その縁からソマレは長男を「リョウイチ」と名付けたと言われています。

2006年には東京国際大学より名誉商学博士号を贈られ、2015年には旭日大綬章を受章するなど、日本政府からも高く評価されました。

死去

2021年2月26日、ソマレは84歳で死去しました。彼の死は、パプアニューギニア国民だけでなく、国際社会にとっても大きな損失でした。彼の遺志は、パプアニューギニアの発展と繁栄を願う全ての人々の心に、今も息づいています。

サー・マイケル・トーマス・ソマレは、パプアニューギニアの歴史にその名を深く刻み込んだ、偉大なリーダーでした。

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