マイケル・トロイ

マイケル・フランシス・トロイ（Michael Francis Troy、1940年10月3日 - 2019年8月3日）は、アメリカ合衆国を代表する競泳選手として、その名を歴史に刻みました。

彼はインディアナ大学の競泳・飛び込みチーム「インディアナ・フージャーズ」に所属し、名コーチとして知られるドック・カウンシルマンの指導を受け才能を開花させました。1960年のローマオリンピックでは、4×200メートル自由形リレーのアメリカ代表チームの一員として出場し、見事金メダルを獲得。チームの勝利に大きく貢献しました。さらに、個人種目である男子200メートルバタフライでも圧倒的な強さを見せつけ、金メダルを獲得するという偉業を達成しました。

トロイの活躍はオリンピックの舞台にとどまりません。彼は200メートルバタフライにおいて、1961年にカール・ロビーに記録を破られるまで、世界記録を6回にわたって更新し、世界の頂点に君臨しました。その功績が認められ、1971年には国際水泳殿堂入りを果たし、その栄誉を称えられました。

大学卒業後、トロイはアメリカ海軍士官としての道を選び、精鋭部隊であるNavy SEALsの過酷な選抜訓練 (BUD/S) を修了しました。その後、ベトナム戦争に従軍し、その勇敢な行動が認められ、シルバースター（銀星章）を授与されました。スポーツ界での輝かしい実績に加え、国家への貢献も忘れてはならない彼の重要な側面です。

海軍退役後は、サンディエゴに居を構え、不動産仲介業に従事するかたわら、水泳指導者として後進の育成に力を注ぎました。彼の教え子の中には、マイク・スタムなど、後に活躍する選手も現れました。2019年に亡くなる直前まで、アリゾナ州チャンドラーで、オリンピック代表コーチを2回務めたマイク・ウォーカーとともにスイミングスクールを経営し、水泳界への情熱を持ち続けていました。また、オリンピック委員会国際部長やアメリカ競泳指導者協会副会長、米国のパラリンピック競泳代表チーム全国部長など、要職を歴任し、水泳界の発展に大きく貢献しました。

マイケル・フランシス・トロイは、競泳選手として輝かしい実績を残しただけでなく、軍人、指導者としてもその才能を発揮し、多くの人々に影響を与えた人物でした。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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