マイケル・パリス

マイケル・パリス（ホワキン・ワイルド）：華麗なる軌跡を辿るフィリピン系アメリカン・プロレスラー

マイケル・パリス（Michael Paris、1986年10月6日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のプロレスラーです。現在はWWEのNXTに所属し、ホワキン・ワイルド（Joaquin Wilde）のリングネームで活躍しています。

インディー団体での活躍

パリスは、そのキャリアの初期段階において、シーマ・ザイオン（Shiima Xion）、DJZ、ジーマ・アイオン（Zema Ion）など、様々なリングネームを使い分け、インディー団体を舞台に活動していました。特に、その奇抜なヘアースタイルは彼のトレードマークの一つとして知られています。

キャリア初期：IWCでの躍進（2004-2008）

幼少の頃からプロレスラー、もしくはロックスターになることを夢見ていたパリスは、16歳の時にギターの才能がないことに気づき、プロレスラーになるための道を探し始めました。2003年、ペンシルベニア州ピッツバーグにて、スーパー・ヘンタイ、ジャーリー・ドゥエ、グリーン・スペクターといったトレーナーの下でトレーニングを開始。14ヶ月の厳しい鍛錬を経て、2004年にウェストバージニア州ホイーリングで、"初のフィリピン人男性レスラー"として、シーマ・ザイオンの名前でジェイソン・ゴーリーを相手にデビューを果たしました。ペンシルベニア州での活動が限られていたため、活動の場をオハイオ州やウェストバージニア州の団体にも広げ、18歳になるとインターナショナル・レスリング・カルテル（IWC）に参戦するようになりました。IWC以外にも、チカラ、ファー・ノース・レスリング（Far North Wrestling）、プロレスリング・アンプラグド（Pro Wrestling Unplugged）など、数多くの団体に参戦。IWCでは、2004年から2008年にかけて、タッグマッチとシングルマッチの両方で目覚ましい活躍を見せ、数々のベルトを獲得しました。2006年には、日本のDDTプロレスリングにも参戦しています。

メキシコでの挑戦（2008-2012）

2008年5月3日、メキシコシティでジョー・リダーとタッグを組み、エル・ジェネリコとクレイジー・ボーイを相手にディザスター・トータル・ウルトラバイオレット（DTU）に初参戦。しかし、ジェネリコのブレーンバスターにより敗北を喫しました。一時的な離脱後、2009年7月にトゥランシンゴでクレイジー・ボーイ、エクストリーム・タイガーとの3wayマッチで復帰するも、エクストリーム・タイガーに敗れました。その後もDTUのイベントに出場し、DTU王座を賭けてアレロ・ボーイ、ラゲデと3wayマッチを行うも、アレラ・ボーイにフォール負け。その後、2009年の夏頃からAAAへ参戦し、テディ・ハート、エレクトリック・ショックと組み、ラ・パーカー、ジャック・エヴァンス、エクストリーム・タイガーとの6人タッグマッチに出場しましたが、エクストリーム・タイガーのダブル・フットスタンプによりピンフォール負けを喫しました。

TNAでの飛躍（2011-2018）

2011年6月23日、ジーマ・アイオンとしてTNAに初登場。7月のPPVであるDestination Xで優勝すると契約できる予選トーナメントに出場し、ダコタ・ダーソウ、フェデリコ・パラシオスとの3wayマッチに勝利。Destination Xの決勝では、ジャック・エバンス、ロウ・キー、オースチン・エイリースとの4wayマッチに出場しましたが、惜しくも敗れ、契約には至りませんでした。しかし、その後TNAとの契約が発表され、8月にはバックステージに登場。翌週にはXディヴィジョン・ランキングのガントレットマッチに出場しましたが、ジェシー・ソーレンセンに落とされてしまいました。9月28日のImpact Wrestling!で行われた5人形式のラダーマッチにも登場しましたが、ブライアン・ケンドリックに敗れました。

12月からは、2012年のGenesisでXディヴィジョン王座の挑戦者を決めるための3連戦をアンソニー・ニースと行い、2勝したため挑戦者に選ばれました。この頃から、ヒールとしての側面を強く打ち出していきます。

2012年1月8日のGenesisでは、当時の王者オースチン・エイリース、キッド・カッシュ、ジェシー・ソーレンセンとの4wayマッチに挑むも、2番目に脱落。その後、ソーレンセンを妨害し、エイリースをアシストしました。しかし、2月のAgainst All OddsでXディヴィジョン王座への挑戦権を賭けたソーレンセンとの試合中、アイオンのコーナーからのムーンサルトアタックの際に膝がソーレンセンの顔面に入ってしまい、ソーレンセンは負傷。（試合はリングアウト勝ち）

3月には、オースチン・エイリースのXディヴィジョン王座への挑戦を表明し、18日のVictory Roadでエイリースと対戦しましたが、サブミッションにより敗北。翌週の再戦、そして5月の再挑戦も失敗に終わりました。

エイリースがヘビー級王座に挑戦するため王座を返上したことを受け、7月のDestination Xで行われたワンデイ・トーナメントに参加。フリップ・カサノヴァを破り決勝へ進出。決勝では、ケニー・キング、メイソン・アンドリュース、サンジェイ・ダットとのアルティメットXマッチ方式4wayマッチを制し、Xディヴィジョン王座を初戴冠しました。26日にはケニー・キングとの防衛戦で勝利。8月のHardcore Justiceで再びケニー・キング、9月のNo Surrenderではサンジェイ・ダットを相手に防衛に成功。10月初頭にはダグラス・ウィリアムズを変形サブミッションで破り防衛しましたが、14日のBound of Gloryでロブ・ヴァン・ダムに敗れ、タイトルを失いました。25日には再戦権を行使するも敗北。2013年に入ってからもディヴィジョン王座を狙い続けましたが、RVDや2月にRVDから王座を奪ったケニー・キングへの挑戦は実らず、負傷により長期離脱を余儀なくされました。

11月末に復帰すると同時に、ジェシー・ゴッダーズとロビー・EのブローマンズにDJとして加入。ディビジョン王座にいつでも挑戦できる権利書が入っているブリーフケースを獲得。2014年1月末に権利書を行使し、王者のエイリースに挑戦するも失敗。また、リングネームをギミックに合わせDJ Zに変更し、髪型も変更しました。

同月末にブローマンズがザ・ウルブズ（デイビー・リチャーズ、エディ・エドワーズ）に敗れタイトルを手放しまうが、W-1で行われるウルブズと近藤修司とカズ・ハヤシのチーム246のタッグ王座戦に割り込む形で参戦。チーム246からフォールを奪い王座を奪取しています。

NXTでの新たな挑戦（2019-）

2019年5月、WWEと契約し、リングネームをホワキン・ワイルドに改め、NXTで新たなスタートを切りました。

得意技

450°スプラッシュ
630°セントーン
ゴリー・ボム
バイブル・ブラック
ランニング・ダブル・ニー・アタックの体勢で相手をフォールする。
フロム・ラスト・トゥ・ダスト
フィリピン・デストロイヤー
サブミッション・インポッシブル
ホスタイル・メイク・オーバー
メアリー・ルー・レットン・スプラッシュ
ワンナイト・スタンド

獲得タイトル

TNA
インパクトXディヴィジョン王座：1回
インパクト世界タッグ王座：1回（w/アンドリュー・エベレット）
AIW
AIWアブソルート王座：1回
AIWインテンス王座：1回
AIWタッグチーム王座：1回（w/ショーン・ブレイズ）
CWE
CWEアンディスプッド王座：1回
Far North Wrestling
FNWクルーザー級王座：2回
IWC
IWCスーパーインディ王座：2回
IWCタッグチーム王座：2回 （w/ジェイソン・ゴーリー）
IWC世界ヘビー級王座：2回
IPW
IPWテキサスヘビー級王座：3回
NEPW
NEPWユナイテッドステイツ・タッグチーム王座：1回 （w/ジェイソン・ゴーリー）

その他

フィリピン出身と説明されていますが、実際はフィリピンとフランスのハーフです。
ウェスト・バージニア大学ではジャーナリズムを専攻していました。
当初は"初のフィリピン出身"ギミックでしたが、2006年頃からロックスターギミックに変更。リングでマイクパフォーマンスをしたり、髪の毛を黒から赤やブロンドに染めるなど、ビジュアル面でも変化を加えました。
2006年と2009年にDDTプロレスリングに参戦しています。

マイケル・パリス、ことホワキン・ワイルドは、その多才さと飽くなき挑戦精神で、これからもプロレス界に新たな足跡を残していくことでしょう。

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