マイケル・D・ヒギンズ

マイケル・D・ヒギンズ：多才なアイルランド大統領の軌跡

マイケル・D・ヒギンズ（Mícheál D. Ó hUiginn）は、1941年4月18日生まれのアイルランドを代表する政治家、詩人、社会学者、文筆家、放送人です。2011年より第9代アイルランド大統領を務めています。

政治家としての道のり

ヒギンズは、アイルランド国立大学ゴールウェイ校 (UCG) 在学中に政治の世界に足を踏み入れました。当初はフィアナ・フォイル党に所属していましたが、後に労働党へ移籍。1969年と1973年の総選挙に労働党から立候補するも、落選しました。しかし、1973年にはリアム・コスグレイブ首相により上院議員に任命され、政界でのキャリアをスタートさせます。

1981年の総選挙で下院議員に初当選し、1982年2月の総選挙でも再選を果たしました。同年11月の選挙で議席を失いますが、その後、アイルランド国立大学選出議員として再び上院に復帰。1980年代には、労働党内で連立政権への参加に反対する議員の一人でした。

1987年の総選挙で下院議員に返り咲き、2011年までその座を維持しました。1993年には芸術・文化・ゲール語大臣として入閣し、放送法第31条の廃止、アイルランド映画庁の復活、アイルランド語専門テレビ局（現在のTG4）の開局など、文化政策に大きな足跡を残しました。2003年には労働党総裁に就任し、外交問題のスポークスマンも務めました。

2011年には大統領選挙に出馬するため労働党を離党。同年10月27日の選挙で当選し、11月11日に大統領に就任しました。2018年の大統領選挙でも再選を果たし、現在もその職を務めています。

人権活動家、文筆家としての顔

ヒギンズは、政治家としての活動に加えて、人権活動家としても知られています。ニカラグア、チリ、カンボジア、エルサルバドル、イラク、ソマリアなど、世界各地の紛争に関する記事を執筆。2010年には、ガザ自由船団を擁護するスピーチを下院で行いました。1992年には、世界各地での平和活動が評価され、ショーン・マクブライド平和賞を受賞しています。

また、ヒギンズは詩人、文筆家、放送人としても活躍しています。観念論、文学における社会学、政治における依存国過信症など、幅広い分野で政治および哲学関連の出版物に寄稿。イギリスのチャンネル4では、モントセラトをテーマにしたテレビ映画の脚本とプレゼンターを務めました。さらに、RTÉでアイルランドの政治家ノエル・ブラウンの生涯に関するドキュメンタリーを制作しています。

詩人としては、『裏切り』（1990年）、『炎の季節』（2004年）、『不毛の季節』（2004年）の3冊の詩集を発表しています。

スポーツへの関心と家族

ヒギンズはスポーツにも関心があり、毎年夏にはゴールウェイの競馬場に出かけるほか、リーグ・オブ・アイルランドのゴールウェイ・ユナイテッドの総裁（名誉職）を務めています。

1974年に女優のサビナ・コインと結婚し、3男1女をもうけました。

マイケル・D・ヒギンズは、政治家、人権活動家、文筆家として多岐にわたる分野で活躍し、アイルランド社会に多大な貢献をしています。彼の知性と行動力は、国内外から高く評価されています。

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