ショーン・マクブライド

ショーン・マクブライド（Seán MacBride）

ショーン・マクブライド（1904年1月26日 - 1988年1月15日）は、アイルランドにおける国際政治家としての功績で広く知られています。彼はアイルランドの国内情勢での経験を基に、国際的な非政府組織や機関の設立に多大な影響を与えました。ノーベル平和賞をはじめ、アメリカ正義メダルやレーニン平和賞、ユネスコシルバーメダルなど、多くの名誉ある賞を受けています。

初期の人生

ショーン・マクブライドは、フランスのパリで、軍人の父ジョン・マクブライドと女優の母モード・ゴンの間に生まれました。父がイースター蜂起で処刑された1916年までパリに住んだ後、アイルランドに移り、学校教育を受けます。彼は15歳でアイルランド義勇軍に参加し、以後、アイルランド独立戦争に関与。その後、1921年に締結された英愛条約には反対し、アイルランド自由国政府によって数度の収監を経験しました。1924年に釈放後は、ジャーナリストとして活動しながら法律を学んだ後、アイルランド共和軍（IRA）では24歳でチーフスタッフに就任しました。

政治活動とClann na Poblachta

1946年、彼は共和党系の政党Clann na Poblachtaを設立し、1947年にはダブリン選挙区でウラクタス議会の議員に当選します。しかし、翌年の選挙では党の議席は減少し、その後、労働党系のフィン・ゲールと合併し、外務大臣に任命されました。在任中には、欧州評議会による人権保護条約の策定に尽力し、1949年にはアイルランド共和国の建国を宣言しました。1950年代初頭には経済協力開発機構の副議長を務め、アイルランドのNATO参加を阻止しました。

国際政治と人権活動

マクブライドは、アムネスティ・インターナショナルの設立メンバーであり、1963年から1971年には国際法律家委員会の事務局長を務めました。その間、彼は世界中の人権問題を扱うための活動を推進し、多くの国際的な組織で指導的な立場にありました。また、アフリカ統一機構やガーナの最初の憲法の起草にも携わっています。

1950年代から70年代にかけ、マクブライドは人権問題に特に注力し、何度も国際的な非政府組織を通じてジェンダーや民族に由来する差別と闘いました。彼の原則「マクブライド原則」は、北アイルランドにおけるカトリック教徒への差別の解消を目指して提案され、アメリカ合衆国の一部州で支持を得ました。1980年代には核戦争の危険を訴え、国際司法裁判所へ意見を求めるロビー活動を行いました。

死去と遺産

マクブライドは1988年1月15日にダブリンで亡くなり、グラスネヴィン・セメタリーに埋葬されました。彼の名を冠した「ショーン・マクブライド平和賞」は、1992年に国際平和ビューローによって設立され、彼の平和と人権活動を称えるものとなっています。彼のその活動は、今なお多くの国際的な人権団体や運動の基盤として受け継がれています。

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