マイヅルソウ

マイヅルソウ（舞鶴草）について

マイヅルソウ（学名: Maianthemum dilatatum）は、スズラン亜科マイヅルソウ属に分類される多年草です。その分布は広く、ユーラシア北東部（ロシア東部、日本、朝鮮半島）から北アメリカ北西部（アメリカ合衆国北部、アラスカ州、アリューシャン列島など）にかけて見られます。

日本では、北海道から九州にかけての山地帯上部から亜高山帯に位置する針葉樹林に多く自生しており、特に群生する姿がよく見られます。北アメリカにおいては、沿岸部の温帯雨林に多く、シトカトウヒ林の林床を彩ります。

特徴

マイヅルソウは、落葉が堆積した環境で、地下茎を横に伸ばして繁殖します。草丈は10～20cm程度で、茎の中ほどに2枚のハート形の葉をつけます。花期は5月から7月で、茎の先端から総状花序を伸ばし、白色の小さな六弁花を多数咲かせます。

繁殖の様子は、より低地に生育するチゴユリと似ています。また、同じような環境を好む植物として、ユキザサやタケシマランがありますが、マイヅルソウよりも大型である点が異なります。

ブナ帯の上部から現れることが多く、ミヤマワラビ、シラネワラビ、イワダレゴケ、フジノマンネングサ、コミヤマカタバミなどと共に、その地域の環境指標となる植物として知られています。

興味深いことに、御蔵島では標高の低い場所に分布しており、これは山体効果によるものと考えられています。また、雲霧が発生しやすい環境を好み、降水量の多い海に近い山では、比較的低い標高で見られる傾向があります。

細部の特徴に着目すると、ヒメマイヅルソウを識別することができます。実は、最初はウズラの卵のように白いまだら模様に覆われていますが、熟すと赤色に変化します。

名前について

マイヅルソウの名前は、その葉の模様が日本の伝統的な家紋である「舞鶴紋」に似ていることに由来します。

まとめ

マイヅルソウは、その美しい姿だけでなく、生育環境や分布範囲、他の植物との関係など、多くの興味深い側面を持つ植物です。山を訪れる際には、ぜひその姿を探してみてください。

[外部リンク]

マイヅルソウの標本（愛知県北設楽郡設楽町で1994年5月22日に採集）
日本のレッドデータ検索システム「マイヅルソウ」
* Maianthemum dilatatum (Alph.Wood) A.Nelson & J.F.Macbr.

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