マイナー・バーズ

マイナー・バーズ（The Mynah Birds）

マイナー・バーズは、1964年から1967年にかけてカナダのトロントで活動したR&Bバンドで、その短い活動期間にもかかわらず多くの著名なミュージシャンを輩出しました。リック・ジェームスやニール・ヤングが在籍していたことで知られるこのグループは、アルバムをリリースすることはありませんでしたが、その後の音楽シーンに影響を与える存在となりました。

設立とメンバーの変遷

マイナー・バーズは、1964年にジミー・"リバ"・リヴィングストンを中心に結成されました。初期のメンバーには、ギタリストのイアン・ゴーブル、ドラマーのリック・キャメロン、オルガン奏者のジョン・ゴアズビー（後のゴールディ・マクジョン）、ベーシストのニック・キャスバウム（後のニック・セント・ニコラス）が含まれていました。バンド名は「セーラーボーイズ」から「マイナー・バーズ」に改名され、ラインナップは頻繁に入れ替わりました。

リック・ジェームスは後にファンク界の大スターとして名を馳せ、ニール・ヤングはフォーク・ロックのアイコンとなりました。グループにはそのほかにも、多くの才能あるアーティストが参加しており、彼らの活動を通じて様々な音楽的影響を受けました。特に、ブルース・パーマー、リックマン・メイソン、ジョン・テイラーなどのメンバーが加入したことで、バンドは多様な音楽スタイルを体現しました。

音楽活動とレコーディング

マイナー・バーズは1965年にコロンビア・レコードと契約し、シングル「The Mynah Birds Hop」をリリースしましたが、商業的な成功には至りませんでした。次第にメンバーが交替し、1966年にはモータウン・レコードとの契約を結びましたが、バンドのマネージャーの不正行為により契約は破棄され、リック・ジェームスも海軍に身柄を拘束されることになりました。このため、彼らの初期の録音は埋もれたままとなりました。

その後もメンバー変更が続き、リックマン・メイソンやトム・モーガンなどが加入し、新たなバンドとして再出発。しかし、モータウンとの契約条件を満たすことができず、プロジェクトは短命に終わりました。最終的に、リック・ジェームスは自己のキャリアを歩む中で、モータウンに戻りボビー・テイラーのアルバムを制作し、大きな成功を収めることになります。

影響と遺産

マイナー・バーズは音楽史において、短期間でありながらも多くの後続ミュージシャンに影響を与えました。彼らのメンバーは、後にバッファロー・スプリングフィールドやステッペンウルフなどのバンドに参加し、それぞれの音楽的キャリアを築いていきました。さらに、2017年には先に埋もれていた未発表曲がリリースされ、当時の楽曲が改めて聴かれる機会を得ました。

このように、マイナー・バーズはアルバムを残すことはありませんでしたが、その影響力は時を超えて今なお語り継がれています。その音楽の足跡は、ロックやファンク、フォーク・ロックのジャンルの中で知られざる歴史の一幕として、重要な位置を占めています。

もう一度検索