マイビューパーズ

マイビューパーズ：輝ける母系を築いた名繁殖牝馬

マイビューパーズ (My Bupers、1967年6月1日 - 1989年以降) は、アメリカ合衆国で活躍した繁殖牝馬です。競走馬としては13戦未勝利という結果に終わりましたが、その繁殖能力において類まれな才能を発揮しました。競走馬時代は華々しい活躍とは無縁でしたが、後に繋がる偉大な母となる素質を秘めていたと言えるでしょう。

マイビューパーズの真価は、繁殖牝馬として発揮されました。彼女の子孫からは、アメリカのみならずヨーロッパや日本において数々のG1競走を制する名馬が輩出されています。その成功の礎を築いたのが、1972年に誕生したマイジュリエットです。マイジュリエットは、36戦24勝という輝かしい成績を残し、ヴォスバーグステークス（米G2）など重賞6勝を挙げ、1976年にはエクリプス賞最優秀短距離馬に輝きました。マイビューパーズの類まれな繁殖能力を証明する大きな成果となりました。

マイビューパーズの産駒は、マイジュリエット以外にも多くの活躍馬を輩出しています。例えば、ダブルリヴァイヴァルは164戦20勝という驚異的な成績を残し、アワーペイジやアワーロメオなどもそれぞれの活躍を見せました。さらに、リファーズスペシャルはセプテンバーステークス（英G3）を制し種牡馬としても成功を収め、その血統はドナブリーニやロジャーバローズといった名馬へと受け継がれています。

特に注目すべきは、1982年生まれのスナーフィダンサーです。彼は競走馬としては不出走でしたが、種牡馬として大きな成功を収め、1983年のキーンランド当歳セールにおいて、当時史上最高額となる1020万ドル（当時のレートで約24億7000万円）で取引されました。この記録は、マイビューパーズの血統の価値の高さを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

マイビューパーズの血統は、現代競馬においても重要な役割を果たしています。その牝系からは、日本を含む世界各国のGI競走を制覇した多くの優秀な競走馬が生まれています。これらの成功は、マイビューパーズという一頭の繁殖牝馬が持つ、卓越した遺伝子と、その血統を受け継いだ馬たちの努力と才能の賜物と言えるでしょう。

マイビューパーズの産駒一覧を以下に示します。

マイジュリエット (My Juliet) (牝 1972年生、父 Gallant Romeo): 36戦24勝、重賞6勝、1976年エクリプス賞最優秀短距離馬
ダブルリヴァイヴァル (Double Revival) (牡→騸 1973年生、父 Grand Revival): 164戦20勝
アワーペイジ (Our Paige) (牝 1974年生、父 Grand Revival): 13戦2勝
アジャリ (Adjarie) (牡 1975年生、父不明): 8戦0勝
アワーロメオ (Our Romeo) (牡 1976年生、父 Gallant Romeo): 13戦4勝
プリンセスジュリエット (Princess Juliet) (牝 1977年生、父 Gallant Romeo): 不出走
トレジャリーセクレタリー (Treasury Secretary) (牡 1978年生、父 Secretariat): 16戦3勝、種牡馬
エンバラスド (Embarrassed) (牝 1979年生、父 Blushing Groom): 3戦1勝
リファーズスペシャル (Lyphard's Special) (牡 1980年生、父 Lyphard): 16戦5勝、セプテンバーS(英G3)優勝、種牡馬
ルレカス (Lourekas) (牝 1981年生、父不明): 不出走
スナーフィダンサー (Snaafi Dancer) (牡 1982年生、父 Northern Dancer): 不出走、種牡馬
ビューパーダンス (Buper Dance) (牝 1983年生、父 Lyphard): 不出走
ペトコケ (Petcoke) (牝 1984年生、父 Giboulee): 不出走
ニュートレンズ (New Trends) (牝 1985年生、父 Lyphard): 6戦1勝
ホランドパーク (Holland Park) (牡→セン 1986年生、父 Alleged): 12戦1勝
マイポッターズ (My Potters) (牝 1987年生、父 Irish River): 10戦1勝
* テイクマイチャンシズ (Take My Chances) (牝 1989年生、父 Tank's Prospect): 不出走

マイビューパーズの血統は、その後の競馬界に多大な影響を与え続け、多くの名馬の礎となりました。彼女の功績は、競走馬としての成績にとどまらず、繁殖牝馬としての偉大な遺産として語り継がれるべきでしょう。

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