マイフェニックス

映画『マイフェニックス』の概要

『マイフェニックス』（MyPhoenix）は1989年に日本の東宝系映画館で全国公開された青春ドラマです。この作品は、日本大学の創立100周年を記念したもので、原作は大下英治の『小説・日本大学』です。タイトルの「マイフェニックス」は、同大学のアメリカンフットボール部、フェニックスに由来しています。

作品の内容

映画の物語は、主人公である日本大学芸術学部の写真学科4年生、穴山咲子（富田靖子）がアメフト雑誌の編集部からフェニックスの撮影を依頼されるところから始まります。彼女は新入部員のRB（ランニングバック）・奥村茂（宍戸開）との恋愛関係に発展し、二人の関係を中心に物語が展開していきます。映画は、フェニックスのチームがリーグ戦敗退の危機を乗り越え、最終的に優勝を果たす姿を描いています。実際の第43回甲子園ボウルや第42回ライスボウルの映像を使って物語を締めくくる点も特徴的です。

制作とスタッフ

この映画は、監督に西河克己、脚本に菊島隆三と伊藤尚子が担当しています。また、音楽は渡辺俊幸が手がけ、撮影は姫田真佐久が行いました。映画は110分の上映時間を有し、1989年5月13日に公開されました。公開当初のキャッチコピーは「男の人ってバカみたい・・・だけどステキ！」でした。

実際のモデルとエピソード

映画の監督キャラクターには、1959年から2003年にかけてフェニックスの監督を務めた篠竹幹夫がモデルとなっています。劇中で菅原文太が演じる監督が歌う「百万本のバラ」は、篠竹監督の愛唱曲であり、彼が菅原文太よりも上手く歌えると語ったという面白いエピソードも存在します。また、穴山咲子のキャラクターには実在のモデルがあり、彼女はフェニックス初の女性マネージャーとしての役割も果たしました。

知られざる事実

奥村茂キャラクターは日大法学部の学生ですが、実際の日大フェニックスの部員の多くは文理学部の学生でした。本作は、宍戸開の映画デビュー作でもあります。劇中に登場するリーグ戦の試合映像は、実際のリーグ戦を撮影したものではなく、プライベートリーグの選手たちが演じたものである点も興味深いです。

現在の状況

2012年の時点で本作のDVDは発売されておらず、かつて発売されたVHSも絶版となっています。そのため、映画を観るチャンスはオークションサイトや中古ビデオ販売店で見ることが稀な状況です。このように、映画『マイフェニックス』は日本のアメリカンフットボール文化と青春の一端を描いた大切な作品であり、今なお多くの人々に思い出されています。

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