マイ・フレンド・スタン

スレイド「マイ・フレンド・スタン」解説

「マイ・フレンド・スタン」(My Friend Stan)は、イギリスのロックバンド、スレイドが1973年に発表した楽曲です。4枚目のオリジナル・アルバム『大狂乱スレイド一座』からの第1弾シングルとしてリリースされました。

作詞作曲は、ノディ・ホルダーとジム・リー。プロデューサーはチャス・チャンドラーが務めました。この楽曲は、全英シングルチャートで最高位2位を獲得し、1973年10月には英国レコード産業協会（BPI）からシルバーディスク認定を受けています。

制作の背景とリリース

「マイ・フレンド・スタン」は、ジム・リーが自宅のピアノでメロディーを奏でていた際、プロデューサーのチャス・チャンドラーがその可能性を見出し、リーを説得して完成に至った楽曲です。

興味深いことに、この楽曲は1973年7月にドラマーのドン・パウエルが交通事故で重傷を負った後、初めてレコーディングされた楽曲でもあります。レコーディング当時、パウエルは杖なしでは歩けない状態だったため、他の人に支えられながらドラムセットに着席していました。

「マイ・フレンド・スタン」は、1973年9月にシングル盤としてリリースされ、B面には「マイ・タウン」が収録されました。発売前には、ポリドール・レコードに予約注文が殺到し、10万枚ものシングルを急遽イギリスに輸入する必要が生じるほどの人気ぶりでした。

ミュージック・ビデオ

「マイ・フレンド・スタン」のミュージック・ビデオは、ロンドンのバーンズにあるオリンピック・スタジオで撮影されました。ビデオの内容は、バンドがレコーディングを行っている様子を捉えたもので、ギタリストのデイヴ・ヒルが「John Birch Superyob」として知られる特徴的なギターを使用しているのが確認できます。

評価

シングル盤の発売後、音楽雑誌「レコード・ミラー」は、本作を「スレイドの作品の中でもかなりゆっくりとしていて、実に地味な曲」と評する一方で、「明らかにナンバーワンであり、いくつかの点で初期の暴れん坊たちよりも記憶に残る曲」とも評価しています。

シングル収録曲

1. マイ・フレンド・スタン
2. マイ・タウン

クレジット

スレイド

ノディ・ホルダー - ボーカル、ギター
デイヴ・ヒル - リードギター、バッキング・ボーカル
ジム・リー - ピアノ、ベース、バッキング・ボーカル
ドン・パウエル - ドラム

制作

チャス・チャンドラー - 音楽プロデューサー

チャート成績

全英シングルチャート：2位

カバー・バージョン

1993年には、ザ・ロマンズがアルバム『Major Panic』で本作のカバー・バージョンを披露しています。

「マイ・フレンド・スタン」は、スレイドの代表曲の一つとして、現在も多くのファンに愛され続けています。

参考資料

Charlesworth, Chris (1997). Feel The Noize - Slade Greatest Hits (booklet). Slade. Polydor.
Powell, Don; Falkenburg, Lise Lyng (2013). Look Wot I Dun: Don Powell of Slade. Omnibus Press. ISBN 1-7832-3000-2
Record Mirror (United Newspapers). (1973年9月)

外部リンク

My Friend Stan - Geniusの歌詞ページ

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