マウリシオ・ララ

マウリシオ・ララ（Mauricio Lara）は、1993年2月23日にメキシコシティで生まれたプロボクサーです。元WBA世界フェザー級王者として知られています。

ララのプロキャリアは2015年10月10日に始まりましたが、デビュー戦は4回判定負けという結果に終わりました。黒星からのスタートとなりました。

彼の名が広く知られるようになったのは、2021年2月13日に行われた試合での番狂わせによってです。ウェンブリーで開催されたこの一戦で、ララは元IBF世界フェザー級王者のジョシュ・ワーリントンと対戦しました。圧倒的な下馬評を覆し、9回54秒でのTKO勝利を収め、ボクシング界に大きな衝撃を与えました。

その後、2021年9月4日には、リーズでジョシュ・ワーリントンとの再戦が組まれました。しかし、この試合は偶然のバッティングによりララが左目の上をカットするというアクシデントが発生し、わずか2回で負傷引き分けという消化不良の結末となりました。

2023年2月18日、ノッティンガムで行われた試合で、ララはWBA世界フェザー級王者のリー・ウッドに挑戦しました。この重要な一戦で、ララは7回2分54秒TKO勝ちを収め、念願の世界王座獲得に成功しました。

しかし、彼の王座保持は短命に終わります。2023年5月27日、マンチェスターのAOアリーナで、前王者のリー・ウッドとダイレクトリマッチで再戦しました。この試合は、ララにとってキャリア最大の試練の一つとなりました。

試合前に実施された非公式計量で体重超過が発覚し、英国ボクシング管理委員会は健康上のリスクを考慮して過度な減量を制限しました。この結果、金曜日の公式前日計量でもフェザー級リミットの126ポンドを3.8ポンド（約1.7kg）超過。この体重超過により、ララが保持していたWBA世界王座は試合前に剥奪されることとなりました。試合は、リー・ウッドが勝利すれば王座獲得、マウリシオ・ララが勝利すれば王座が空位となるという異例の条件で行われました。また、試合当日までの増量を制限するための水分補給制限も課されるなど、厳しい状況での一戦となりました。結果として、試合は12回まで戦われ、ララは0-3の判定負けを喫し、王座を取り戻すことはできませんでした。

王座陥落後、ララは2024年2月16日にオアハカでダニエル・ルゴと再起戦を行いましたが、10回を戦い終えて0-1の判定引き分けに終わりました。

さらに、2025年3月13日には、2023年5月27日のリー・ウッド戦の前に行われたドーピング検査で、禁止薬物であるベタメタゾンの陽性反応が検出されたとして、英国アンチ・ドーピング機構（UKAD）から2年間の出場停止処分が科せられたことが発表されました。この処分は、今後のキャリアに大きな影響を与えることとなりました。

プロボクシングにおけるララの戦績は、32戦27勝（20KO）3敗2分です。獲得した世界タイトルはWBA世界フェザー級王座（防衛0=剥奪）のみです。

マウリシオ・ララのキャリアは、劇的な勝利や世界王座獲得といった輝かしい瞬間がある一方で、体重超過による王座剥奪やドーピング問題による出場停止など、波乱に満ちたものと言えるでしょう。

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