マカオ・パタカ

マカオ・パタカ：マカオの公式通貨

マカオ・パタカ（澳門幣）は、マカオ特別行政区の公式通貨です。補助通貨単位はアヴォス（avos）で、1パタカは100アヴォスに相当します。国際通貨コードはMOPです。

通貨単位と呼称

中国語では「元」（紙幣や硬貨では「圓」）と呼ばれ、補助単位の10アヴォスは「毫」、1アヴォスは「仙」と呼ばれます。現在流通している硬貨の最小単位は10アヴォス（1毫）であるため、「仙」は計算上の単位となっています。広東語では口語的に「元」を「蚊（マン）」と呼ぶこともあります。

マカオ・パタカの歴史と発行

マカオ・パタカは1905年から、マカオ政庁がポルトガルの大西洋銀行に発行を委託する形で流通を開始しました。1980年、マカオ政庁はマカオ発行機構を設立し通貨発行権を回復しましたが、発行業務自体は引き続き大西洋銀行に委託されました。その後、この機構は1989年にマカオ貨幣および外為監理署、そして1999年の中国返還時にはマカオ金融管理局に改組されました。1995年からは中国銀行マカオ分行もパタカの発行銀行となっています。硬貨の発行はマカオ金融管理局が行っています。

マカオ・パタカは香港ドルにペッグされており、発行されたパタカの全額に相当する香港ドルがマカオ金融管理局に預けられています。外貨規制はなく、自由に外貨との交換が可能です。

「葡幣」の呼称

マカオと香港では、マカオ・パタカを俗に「葡幣」と呼びます。これは、かつてマカオで流通していた中華民国銀元や、現在流通している香港ドルと区別するために用いられることが多い呼称です。しかし、ポルトガル本国の通貨はユーロであるため、「葡幣」という呼称は、マカオの通貨事情に詳しくない人にとって誤解を招きやすい可能性があります。

紙幣のデザイン

大西洋銀行と中国銀行マカオ分行はそれぞれ異なるデザインの紙幣を発行しています。デザインは異なっても、いずれも額面通りに通用し、使い分ける必要はありません。大西洋銀行発行の紙幣は、2005年版では珍しいポップ体漢字が使用されていましたが、中国銀行マカオ分行発行の紙幣は、2008年版では標準的なゴシック体漢字が使用されていました。2020年版では、両行とも明朝体漢字を使用するデザインに変更されています。

硬貨

現在流通している硬貨は、10、20、50アヴォス、1、2、5、10パタカの7種類です。材質は、10、20、50アヴォスが黄銅、1、2、5パタカが白銅、10パタカはバイメタル貨（外周黄銅、内側白銅）となっています。しかし、実際には10、50アヴォス、1、5パタカの4種類が主に流通しています。

もう一度検索