マキノ・プロダクション

マキノ・プロダクションの歴史

マキノ・プロダクションは1925年に設立され、1931年に解散した映画会社で、京都を拠点にしたサイレント映画の製作を行っていました。その設立者は牧野省三であり、彼は直木三十五や衣笠貞之助、伊藤大輔など多くの著名な監督や脚本家を擁していました。会社の製作拠点は御室撮影所であり、ここから数多くの傑作が生まれました。

設立と背景

マキノ・プロダクションは、1924年に東亜キネマに吸収される形でマキノ映画製作所を閉じた後、牧野省三が復活させた独立プロダクションとして知られています。彼はサイレント映画の時代に多くの作品を製作し、さらに独立プロダクションとの提携を進めることで、映画界における影響力を拡げました。

牧野は1925年に御室撮影所を開所し、同年には、中部撮影所を開設します。しかし、1928年に失火によって多くのネガフィルムを失いながらも、次の作品として『忠魂義烈 実録忠臣蔵』を公開します。嵐長三郎、市川右太衛門といったスターを輩出し、彼らの姿が観客に強く印象に残りました。

トーキーへの挑戦

1929年には、国産ディスク式トーキー『戻橋』を公開し、トーキー映画の先駆けともなりました。これは、牧野の死の直前に公開されたもので、彼はこの新技術に強い関心を持ち、先進的な試みを続けました。1930年にはトーキーの研究を本格化させ、牧野亡き後もその流れは続きます。

解散とその後

しかしながら、1931年、賃金未払いが続き、ストライキが発生し、これが会社の解散につながります。新たに設立された「新マキノ映画株式会社」も製作業務を再開することは叶わず、最終的には1932年に御室撮影所が焼失。これによって、マキノ・プロダクションは完全に幕を下ろしました。

この会社の活動は当時の日本映画界に多大な影響を与え、牧野省三は日本の映画文化における重要人物の一人として評価されています。彼の持つ独自の視点や様々なパートナーとのコラボレーションによって、マキノ・プロダクションは映画の多様性を広げました。

口コミや後世の文献の影響で、マキノ・プロダクションはただの映画会社という枠を越え、映画の歴史に名を刻んでいます。今なお多くのファンや研究者によってその作品や歴史が語り継がれ、映画を愛する人々への教育的な意義を持ち続けています。

もう一度検索