マクニカ

株式会社マクニカ

株式会社マクニカは、神奈川県横浜市港北区に本社を置く日本の企業です。主な事業として、半導体やサイバーセキュリティ関連製品に技術的な付加価値を加えて提供するVAD（Value Added Distributor）事業、そして最先端のテクノロジーを駆使したサイバーフィジカルシステムソリューション事業を展開しています。一般的にはエレクトロニクス分野の専門商社として広く認識されています。

企業概要と事業の特徴

1972年の創業以来、同社は常に進化する技術領域に焦点を当ててきました。最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク関連製品、そしてサイバーセキュリティ製品を取り扱い、単に製品を流通させるだけでなく、高度な技術サポートやソリューション提案を組み合わせることで、顧客にとっての価値を最大化しています。特に、最先端技術を見極める優れたソーシング能力と、それを活用した技術企画力を強みとしており、人工知能（AI）、モノのインターネット（IoT）、自動運転技術、ロボティクスといった将来性の高い分野で新しいビジネスの創出に積極的に取り組んでいます。「Co.Tomorrowing」というスローガンを掲げ、従来の商社モデルから脱却し、技術とサービスを組み合わせた「サービス＆ソリューション・プロバイダー」への変革を目指しています。企業の存在意義を示すパーパスは、2022年2月に新たに制定されました。グローバルな事業展開も特徴の一つであり、世界23カ国・地域にわたる81の拠点を基盤に、国際的なビジネスを推進しています。

沿革

株式会社マクニカの歴史は、1972年（昭和47年）に東京都世田谷区で創業者である神山治貴氏によって「ジャパンマクニクス株式会社」として設立されたことに始まります。設立から間もない1975年（昭和50年）には、神奈川県川崎市中原区へと本社を移転しました。技術サービスの提供にも早期から着手しており、1986年（昭和61年）にはユーザーが設定可能なICであるPLDのデータ書込みサービス業務を社内で開始しています。

事業の拡大に伴い、1990年（平成2年）には横浜市緑区に新本社ビルを建設し、川崎市から本社機能を移しました。そして1992年（平成4年）には、「株式会社マクニカ」へと商号を変更しています。順調に業績を伸ばし、2000年（平成12年）には東京証券取引所市場第二部に上場を果たし、翌2001年（平成13年）には市場第一部へと指定替えとなりました。2002年（平成14年）には、新横浜にマクニカ第1ビルを建設し、再び本社機能を移転しています。

組織体制の強化も進められ、2004年（平成16年）には社内カンパニーだったマクニカネットワークスが完全子会社として独立しました。海外展開も加速し、2008年（平成20年）には香港のCYTECH TECHNOLOGY Ltd.、2010年（平成22年）には台湾のGALAXY FAR EAST CORPORATION、2012年（平成24年）にはブラジルのDHW社をそれぞれ子会社化しています。

2015年（平成27年）には、富士エレクトロニクス株式会社との間で共同株式移転を行い、持株会社であるマクニカ・富士エレ ホールディングス株式会社を設立し、その完全子会社となったことで上場廃止となりました。その後、グループ内での組織再編を進め、2017年（平成29年）には子会社の株式会社アルティマと株式会社コージェントを、2018年（平成30年）には株式会社エルセナを吸収合併しました。2020年（令和2年）には長年培ってきたエレクトロニクス事業のさらなる強化を図るため、富士エレクトロニクス株式会社を吸収合併しています。

新たな事業領域や技術への投資も積極的に行われ、2019年（平成31年）にはインドのAIプラットフォーム企業であるCrowdANALYTIX社を、2020年（令和2年）にはサイバーセキュリティ事業強化のためS&J株式会社を関係会社化しています。また、2021年（令和3年）には完全に子会社となっていたマクニカネットワークスを吸収合併し、より一体的な事業運営体制を構築しました。

直近では、2023年（令和5年）に広島県呉市と若者のチャレンジ支援などを目的とした包括連携協定を締結しており、地域社会への貢献活動も展開しています。これらの活動を通じて、同社は技術革新と社会への貢献を目指し、持続的な成長を追求しています。

（本記事は公開情報に基づき執筆されています）

もう一度検索