マクラーレン・スピードテール

マクラーレン・スピードテール (McLaren Speedtail)

マクラーレン・スピードテールは、マクラーレン・オートモーティブによって開発されたスーパーカーで、2016年11月に発表されました。これは、同社の最上位モデルである「アルティメットシリーズ」の最新作であり、投資計画「Track25」の一環として開発された18台の新型車や派生車の一つです。このモデルの開発コードネームはBP23です。

メカニズム

パワートレイン

スピードテールのパワートレインは、720Sに搭載されたM840T型エンジンをベースに改良されたユニットと電気モーターから構成されています。この新しいモデルには「M840TQ」と名付けられたパワートレインが搭載されており、フォーミュラEの技術を活かした電気モーターを利用したハイブリッドシステムが特徴です。最高速度は403 km/h（250 mph）に達し、0-300 km/hの加速はわずか12.8秒という驚異的な性能を誇ります。

エクステリア

スピードテールの外装は、軽量なカーボンファイバー製モノコックを採用しており、ドアには従来のディヘドラルドアを改良した電動開閉式のデザインが採用されています。さらに、前輪には空気抵抗を軽減するためのカーボン製スタティックカバーを装備。後部には油圧で動作するアクティブウィングも装着されており、走行中の空気力学的性能を向上させます。また、伝統的なドアミラーは搭載されていない代わりに、高精度のHDカメラが装備されており、走行モードによって自動的に管理されます。

インテリア

インテリアデザインでは、昔の名作F1に倣い、運転席を中央に配置した三座席レイアウトを導入しています。これにより、運転席の視認性を確保し、運転手が快適に運転できるポジションを提供します。特に充電面では、ワイヤレスの充電パッドを搭載し、走行中や停車中でもバッテリーを効率的に充電できる仕組みを整えています。ウィンドウにはエレクトロミックガラスが使用され、タッチ一つで明るさを調整できる機能も備わっています。

製造と販売

スピードテールのテストはフロリダ州のケネディ宇宙センターを始め、ドイツ、スペイン、イタリアのサーキットでも行われました。2018年11月に106台の限定生産が発表されましたが、販売開始前には全て完売。価格は175万ポンド（約2億5000万円）以上と高額です。特にアメリカ市場からの注文が多数ありましたが、ドアミラーが存在しないことやサイドエアバッグの不在により、公道走行は認められていない状況です。なお、2019年12月に高速テストを終えた後、イギリスでの生産が開始され、2020年2月よりデリバリーが開始されました。日本国内では2020年9月に発表され、ホワイト系のボディカラーの3台が用意されました。

総じて、マクラーレン・スピードテールはその独自のデザインと先進の技術を駆使したスーパーカーとして、今後の自動車市場で注目される一台です。

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