マクロス ダイナマイト7

マクロス ダイナマイト7

『マクロス ダイナマイト7』（1997年 - 1998年）は、OVAとして制作された作品であり、『マクロス7』の続編にあたります。この作品は全4巻から成り立っており、各巻は約30分の内容です。物語は主人公、熱気バサラの冒険を中心に展開します。

概要

本作は、テレビシリーズの人気に応える形で制作されました。主人公の熱気バサラは放浪の旅を続けており、辺境惑星ゾラで銀河クジラと呼ばれる謎の生物を追う人々と出会います。バサラは、この銀河クジラに歌を聴かせることを目的に奮闘します。ストーリーはロードムービーの様相を呈し、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』にも通じるテーマが描かれています。

主要なスタッフやキャストはテレビシリーズと共通ですが、キャラクターデザインと作画監督は新羽こういちろうが手掛けました。また、CGの制作はGONZOが担当しました。音楽面でも特徴的で、テレビがない惑星のラジオ番組がBGMとして使用され、Fire Bomberの新曲「DINAMITE EXPLOSION」を使用したオープニングアニメーションは、各話ごとに異なるバリエーションが展開されます。エンディングでは、原作者である河森正治が撮影した世界各地の写真と動画を手描きのキャラクターと組み合わせた、ユニークな演出が施されています。

本作は2007年11月から12月にかけて毎日放送のアニメシャワー枠でテレビ放送されました。

あらすじ

物語は2047年、バロータ戦役から1年後の設定です。マクロス7船団は宇宙航海を続けており、Fire Bomberはメジャーロックバンドとして銀河系で名を馳せていますが、ボーカルのバサラはその人気にうんざりし、一人旅に出ることにします。

旅の途中、彼は奇妙な武装集団との衝突によって負傷し、ゾラ人の少女エルマに救われます。エルマは銀河クジラが年に一度この惑星に回遊することを語り、彼女の父であるグラハムもそのクジラに歌を聞かせたくて命をかけていることを告げます。

バサラは自らの決意を新たにし、エルマの父の形見であるVT-1Cに乗って宇宙へ飛び立ちますが、銀河クジラに影響されて機体が破壊されてしまいます。瀕死の重傷を負った彼は治療室でエルマの導きにより、ゾラの秘湯に浸かります。この過程で彼の状態が復活し、さらにクジラの秘密を知るために旅を続けることになります。

一方、グラハムは密漁団との関わりや自身の復讐に夢中になっており、バサラは彼の行動を止めるために歌の力を信じて銀河クジラに接触しようと決意します。最終的に、バサラは銀河クジラに向かって歌うことで、周りの人々を巻き込む奇跡を起こします。

その後、彼らは互いの絆を深め、バサラは新たな旅に出ることを決めるところで物語が締めくくられます。

設定・用語

惑星ゾラ

本作の舞台となる惑星ゾラは、多様な植物が茂り、動物たちが生息する環境が整っています。地球人類も生活可能ですが、銀河クジラの影響で大気中の雑菌が繁殖しています。ゾラ人という先住種族が存在し、彼らは素朴な農耕や狩猟を主な生活手段としています。

銀河クジラ

銀河クジラは、年に一度ゾラ近くに現れる巨大な存在です。通常の銀河クジラに加え、特に大きな白い銀河クジラが存在し、捕獲が許可されていますが、密漁問題も発生しています。

登場人物

• - 熱気バサラ: Fire Bomberのボーカルであり、物語の中心人物。
• - エルマ・ホイリー: ゾラ人の少女であり、バサラをサポートする役割を果たす。
• - グラハム・ホイリー: エルマの父で、銀河クジラに執着している。
• - ライザ・ホイリー: エルマの姉で、パトロール隊員。

主要スタッフ

• - 企画: 大西良昌
• - 原作・シリーズ構成: 河森正治
• - 監督: アミノテツロー
• - 脚本: 富田祐弘

この作品を通じて、音楽や冒険、人間関係の深さが描かれ、視聴者に感動を与える魅力があります。

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