マサチューセッツ (BB-2)

アメリカ海軍戦艦マサチューセッツ（BB-2）

マサチューセッツ（USS Massachusetts, BB-2）は、アメリカ海軍のインディアナ級戦艦の2番艦として建造されました。艦名はマサチューセッツ州に由来し、この名を持つ艦としては4隻目にあたります。

艦歴

1891年6月25日にペンシルベニア州フィラデルフィアのウィリアム・クランプ・アンド・サンズ社で起工されたマサチューセッツは、1893年6月10日にレイラ・ハーバート（海軍長官ヒラリー・ハーバートの娘）によって命名・進水しました。1896年6月10日には、初代艦長フレデリック・ロジャーズ大佐の指揮下で就役しました。

就役後、整調航海を経て大西洋岸で公試と航海訓練を行い、その後ニューヨークでオーバーホールを実施しました。1897年にはチャールストン訪問やボストンへの凱旋を果たし、マサチューセッツ州の紋章や勝利の彫像を贈呈されました。その後、セント・ジョンズへの航海を経て、北大西洋艦隊と共にフロリダ沖で艦隊訓練に従事しました。

1898年3月には「遊撃艦隊」に編入され、キューバ封鎖作戦に参加しました。5月にはシエンフエゴス沖での海上封鎖任務に就き、サンティアーゴ・デ・クーバの要塞への砲撃、スペイン艦隊との交戦を行いました。サンティアーゴ・デ・クーバ海戦には直接参加しなかったものの、周辺海域での作戦を支援しました。米西戦争終結後、プエルトリコ占領作戦を支援し、ニューヨークに帰還しました。

その後7年間、マサチューセッツは北大西洋艦隊の一艦として、大西洋岸やカリブ海を巡航しました。1904年には海軍兵学校生の訓練艦として任務に従事し、その後オーバーホールを経て、カリブ海での艦隊訓練に参加しました。1905年にはニューイングランド沖へ移動し、1906年1月8日に一旦退役しました。

1910年に海軍兵学校生の夏季訓練のため限定的に再就役し、その後数年間で3度の訓練巡航を行いました。1912年には大西洋予備役艦隊に編入され、大統領観閲のため一時的に航海を行いました。その後、1914年5月23日に再び退役しました。

1917年6月9日に再び再就役し、予備役兵の訓練や砲撃訓練に従事しました。第一次世界大戦中は重火砲砲撃訓練艦として、チェサピーク湾や大西洋水域で任務に就きました。1919年には「2号沿岸戦艦」へと艦種変更され、同年3月31日に退役しました。

退役後、1920年11月22日に除籍され、標的艦として陸軍省に貸与されました。1921年1月6日にはフロリダ州ペンサコラ湾で砲撃訓練の標的となり、4年間にわたって砲撃を受けました。その後1925年に海軍へ返還されましたが、買い手がつかず、1956年には船体がフロリダ州の所有物となりました。

1993年、マサチューセッツの残骸が沈んでいる場所はフロリダ州の海中考古学保護地域に指定され、人工岩礁として活用されることになりました。

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

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