マサラ上映

マサラ上映とは

マサラ上映とは、インド映画を日本の映画館で上映する際に行われる応援上映の一種です。映画に合わせて踊ったり、歌ったり、歓声を上げたり、紙吹雪をまいたりするなど、観客が主体的に映画に参加するスタイルが特徴です。日本の映画館では通常「映画は静かに見る」ことが求められますが、マサラ上映では一定のルールのもと、自由な鑑賞が許されています。録画は禁止されていることが多いですが、上映後には参加者全員で記念撮影を行うこともあります。

マサラ上映は、主にインド映画やボリウッド映画の上映時に行われます。南インドのタミル・ナードゥ州では、実際にこのスタイルの上映が行われているそうです。

マサラ上映の歴史

日本で初めてマサラ上映が行われたのは2001年6月、大阪の動物園前シネ・フェスタでの『バーシャ! 踊る夕陽のビッグボス』の上映時でした。「バーシャ! 普及委員会」の考案によって実現したこの上映は、通常上映を遥かに上回る観客を集めました。その後、『パダヤッパ いつでも俺はマジだぜ!』がアンコール上映され、銀座シネパトスでも『バーシャ!』が上映されるなど、マサラ上映は人気を集めていきました。

大阪・東京を中心に定期的にマサラ上映が行われ、動物園前シネ・フェスタは「マサラの聖地」と呼ばれるまでになりましたが、2007年に閉館しています。

2001年以降は、主に関西の映画ファンによって散発的にマサラ上映が行われていました。2013年春に『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』が公開された際、渋谷のシネマライズで毎週金曜日にマサラ上映が行われ、再び人気が再燃しました。渋谷クラブクアトロでの爆音マサラ、池袋パルコ屋上での屋上マサラなども話題を呼び、大阪、兵庫、埼玉、広島、京都、千葉など各地の映画館やライブハウスに人気が飛び火しました。

2019年以降は、新型コロナウイルスの影響で発声を伴う観覧スタイルが難しくなっていますが、新潟県上越市の高田世界館では、発声なしでタンバリン・クラッカー・紙吹雪が使用可能な無言上映を多く実施しています。

マサラ上映を楽しむための注意点

映画館によってルールが異なるので、事前に確認しましょう。
周りの観客に迷惑をかけない範囲で楽しみましょう。
録画は禁止されていることがほとんどです。
上映後の記念撮影に積極的に参加しましょう。

関連情報

応援上映
インドの映画
ボリウッド
タミル語映画
マサラ映画

参考文献

「インド人もびっくり? 踊る映画館、アナ雪より一体感」朝日新聞デジタル 2014年6月16日
* 「映画鑑賞、踊れ! 叫べ! 客席が『活劇』の舞台に クラッカーやスマホで演出」日本経済新聞 2013年10月13日

もう一度検索