マシュー・フィリップ

マシュー・フィリップ（Mathew Ian "Matt" Philip、1994年3月7日 - ）は、オーストラリア出身のプロラグビーユニオン選手。愛称はマット。主にフォワードとしてプレーする。

若年期とキャリアの形成

ニューサウスウェールズ州に生まれ育ったマシュー・フィリップは、若い頃からその才能を開花させた。2012年にはオーストラリア高校代表に選出されるなど、同世代のトップレベルでプレー。さらに2014年にはU20オーストラリア代表としても活躍し、将来を嘱望される存在となった。

大学ラグビーを経て、2014年にはプロの舞台へと進み、シドニースターズに加入。その後もオーストラリア国内でキャリアを重ね、2016年にはサウスランド、ウェスタン・フォース（現・フォース）といったチームで経験を積んだ。2017年にはパーススピリット、2018年にはメルボルン・ライジングを経て、同年にスーパーラグビーに参戦するレベルズへ移籍。同チームの中心選手として頭角を現し、スーパーラグビーの舞台で実績を積み上げた。

海外挑戦と国際舞台

オーストラリア国内での実績を背景に、マシュー・フィリップは新たな挑戦の場を海外に求めた。2020年にはフランスの最高峰リーグ、トップ14に所属するセクシオン・パロワーズ（ポー）へ加入。約1シーズンにわたりフランスでプレーし、ヨーロッパラグビーの異なるスタイルを経験した。この海外での経験は、彼の選手としての幅をさらに広げるものとなった。

フランスでの挑戦を終えた後、2022年に再び古巣であるスーパーラグビーのレベルズへ復帰。オーストラリア国内のトップリーグで再びプレーを続けた。

日本での活躍

2023年7月、マシュー・フィリップは日本のラグビーリーグワンに参戦する横浜キヤノンイーグルスへの加入を発表した。日本のファンにそのプレーを披露することとなった彼は、移籍初年度の2023-24シーズン、そして続く2024-25シーズンと、チームにとって不可欠な存在として活躍した。横浜キヤノンイーグルスでは、所属した両シーズンともに各17試合以上に出場しており、その耐久性とチームへの貢献度の高さを証明している。日本での公式戦デビューは、2023年12月10日に行われたJAPAN RUGBY LEAGUE ONE第1節の埼玉ワイルドナイツ戦であり、この試合に先発出場を果たした。

日本でのプレー期間中には、国際舞台での大舞台も経験した。2023年9月からフランスで開催されたラグビーワールドカップ2023には、オーストラリア代表の一員として出場。世界の強豪を相手に奮闘し、自身のキャリアにおいて重要な一章を刻んだ。

今後の展望

横浜キヤノンイーグルスでの充実した2シーズンを経て、マシュー・フィリップは2025年5月にチームを退団することを発表した。そして、その次のキャリアとして選んだのは、再びオーストラリアのスーパーラグビーの舞台だった。2025年7月からは、同じくニューサウスウェールズ州を拠点とする強豪、ワラターズへの加入が決定しており、新たなチームでさらなる活躍を目指すこととなる。

オーストラリア、フランス、そして日本と、異なる環境でプレーしてきた経験を持つマシュー・フィリップは、今後もその豊富な経験と実力でチームに貢献していくことだろう。

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