マチャプチャレ

マチャプチャレの概要

マチャプチャレ（ネパール語: माछापुच्छ्रे、グルン語: कतासुँ क्लिको）は、ネパールの中心部に位置するアンナプルナ山系の印象的な山です。この山はその神聖な性質から、地元住民に深く敬われています。そのため、ネパール政府によって登山は禁止されています。登頂が試みられた記録はあるものの、山頂自体には誰も至っていない未踏峰とされており、その魅力を増しています。

名称の由来

マチャプチャレという名前は、ネパール語で「魚の尾」を意味しています。このため、英語では「フィッシュテイル山」と呼ばれることもあります。また、ラテン文字に転写した際には、Machhapuchare、Machhapuchchhre、Machhapuchhreなど多様な綴りが存在します。命名は、山の特徴的な双峰が魚の尾の形状に似ていることに由来しています。

地理的位置

マチャプチャレは、アンナプルナ山系の主脈から南に延びる長い支脈の端に位置しています。この支脈は、アンナプルナ保護区の東側の境界線を形成しています。アンナプルナ保護区はトレッキングの名所として知られており、多くの登山者がこのエリアから南面へ向かう登山ルートを利用しています。マチャプチャレの山頂は、中心都市ポカラから北へ約25キロメートルの地点に位置しています。

特徴

この山は南側にあることから、周囲の低地と急峻な斜面との対比が際立っています。また、他の高い山々と比較してもその独特で印象的なプロファイルが注目されます。2つの山頂が並ぶ姿は、魚の尾のように見えることから「ネパールのマッターホルン」とも呼ばれています。

登頂史

マチャプチャレへの登頂はこれまで成功したことがないとされ、唯一の記録は1957年にジミー・ロバーツ中佐率いるイギリスの登山隊によるものです。この隊は北稜を経由して、山頂から150メートルの地点に到達しましたが、あらかじめネパール国王に対し山頂には足を踏み入れない約束をしていたため、正式な登頂は果たされていません。この登山を最後に、マチャプチャレへの登山許可は出されていない状況が続いています。
さらに、1980年代にはニュージーランドの登山家、ビル・デンツが無許可で登頂したという報道もありますが、公式には確認されていません。

神聖視の背景

マチャプチャレは地元住民によって「神聖な山」として崇拝されていますが、具体的にどの神に対してどのような形で神聖であるかは明らかではありません。この神聖視は、山の美しさや地域の文化に根ざしたものと認識されることが多いです。マチャプチャレはその特異な特性と美しさから、多くの登山者やトレッカーに愛されている一方、同時に神聖な場所でもあるため、訪れる際はその重要性を理解することが求められます。

文献

マチャプチャレに関する情報は以下の文献に記載されています：

• - Andy Fanshawe and Stephen Venables, Himalaya Alpine Style. Hodder and Stoughton, 1995.
• - Wilfrid Noyce, Climbing the Fish's Tail, London, 1958.
• - Koichiro Ohmori, Over The Himalaya, Cloudcap Press/The Mountaineers, 1994.

外部リンク

• - Machapuchare on Summitpost

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