マッキ M.39

マッキ M.39

マッキ M.39は、1926年のシュナイダー・トロフィー・レースのために、イタリアのアエルマッキ社が開発・製造した競技用高速水上機です。

開発経緯

アエルマッキ社は、前年の1925年に行われたシュナイダー・トロフィー・レースに、空気抵抗の軽減を目指した単葉飛行艇であるマッキ M.33で参戦しました。しかし、結果は3位に終わり、優勝はアメリカのカーチス R3C-2|カーチス_R3C-2に譲ることとなりました。この経験から、アエルマッキは優勝機の形式に着目し、次期開発機ではカーチス R3C-2|カーチス_R3C-2と同様の双フロート式水上機形式を採用することを決定します。

1926年のレースに向け、イタリアは国家的な威信をかけて、アメリカによる大会3連覇を阻止すべく、この新型機開発に総力を挙げました。こうして誕生したのが、マッキ M.39です。機体形式はカーチスを参考に水上機としましたが、主翼については前作M.33で採用し、一定の成果を上げた単葉形式を踏襲しました。

1926年のシュナイダー・トロフィー・レース

マッキ M.39は、1926年にアメリカ合衆国バージニア州ハンプトンローズで開催されたシュナイダー・トロフィー・レースにイタリア代表として出場しました。対するアメリカは、前年の優勝機であるカーチス R3C-2|カーチス_R3C-2のエンジンを強化した機体で大会に臨みました。

激しい競争の末、マッキ M.39は見事優勝を飾り、イタリアにシュナイダー・トロフィーをもたらしました。これは、前年のレースでの敗北に対する雪辱を果たす形となり、イタリア航空界にとって大きな成果となりました。アメリカのカーチス機は2位に終わっています。

スペック

マッキ M.39の主要緒元は以下の通りです。

全長: 6.70 m
全幅: 9.20 m
全高: 3.00 m
総重量: 1,575 kg
出力: 800 HP
最大速度: 416 km/h

登場作品

映画『紅の豚』:
宮崎駿監督のアニメーション映画『紅の豚』には、主人公ポルコ・ロッソの友人であるイタリア空軍のフェラーリン少佐の愛機として、本機マッキ M.39をモデルとした機体が登場します。映画の世界観の中で、この美しい高速水上機が印象的なシーンを彩っています。

関連項目

アレーニア・アエルマッキ
飛行艇
マッキ M.33

マッキ M.39は、当時の航空技術の粋を集めて開発された高性能機であり、シュナイダー・トロフィー・レースという歴史的な舞台で輝かしい記録を残しました。その美しいフォルムと速さは、後の航空機開発にも影響を与えたと言われています。

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