アレーニア・アエルマッキ

アレーニア・アエルマッキ（Alenia Aermacchi）について

アレーニア・アエルマッキは、イタリアの航空機メーカーで、レオナルド S.p.Aの完全子会社です。主に、練習目的や戦術支援向けの航空機を製造しており、本社と生産施設はイタリア国内のヴェネゴーノ・スペリオーレ、ヴァレーゼ、トリノ県のサン・マウリーツィオ・カナヴェーゼに位置しています。また、ナポリ県のポミリアーノ・ダルコにも生産拠点を持っています。

同社は、MB-326やMB-339といった航空機を通じて、その設計と生産能力を証明し、新しいM-346高等練習機の開発にも力を注いでいます。アレーニア・アエルマッキの前身であるアレーニア・アエロナウティカとアエルマッキは、ブラジルのエンブラエルと協力してAMX軽攻撃機・練習機を共同開発しました。加えて、エアバス A330をはじめとする旅客機やビジネスジェットのエンジンナセルの開発にも関与しています。

歴史

アレーニア・アエルマッキは2012年1月に設立され、これはアレーニア・アエロナウティカとその子会社たちを統合した結果です。アレーニア・アエロナウティカ自体は1990年にアエリタリアとセレーニアの合併により誕生しました。その後、1997年にはSIAI-マルケッティとの合併も果たし、航空機生産の多様化を図りました。

同社は、AMXの開発やG.222、C-27J スパルタン、さらにはパナヴィア・トーネード戦闘機、ユーロファイター タイフーンなど、国際的な共同開発計画にも参加しています。特にM-346高等練習機は、旧ソビエト連邦のヤコヴレフ設計局との共同プロジェクトから始まりました。

2016年より、アレーニア・アエルマッキはレオナルド・フィンメッカニカ（現レオナルド S.p.A）の航空機部門に編入されています。

軍用訓練機

アレーニア・アエルマッキは、創業以来軍用訓練機の設計及び生産を主なビジネスとして行っています。以下に、同社が生産する主な機種を紹介します。

• - SF-260：レシプロエンジンあるいはターボプロップエンジンを搭載した練習機。
• - MB-326：ターボジェットエンジンを利用した練習機及び軽攻撃機。
• - MB-339CD：ターボジェットエンジン搭載の高等練習機で、MB-326の後継機。
• - M-345（旧称M-311）：ターボファンエンジンを搭載した練習機で、アエルマッキ社がSIAI-マルケッティ社のS-211を改良したもの。
• - M-346：新世代のターボファンエンジン双発高等練習機。

共同開発プログラム

アレーニア・アエルマッキは、以下の国際共同開発プログラムにも関与しています。

• - AMXプログラム：アエルマッキ、エンブラエル及びアエリタリアが関与し、アレーニア・アエルマッキは24%のシェアを担当しています。
• - パナヴィア・トーネードプログラム：同社はウィングパイロンやウィングチップの設計を担当。
• - ユーロファイタープログラム：全体の4%を担当し、炭素ファイバー構造物やエンジンカウリングを製造。
• - C-27Jプログラム：G-222輸送機の後継機、C-27J スパルタンの外翼部を製造。

民間機プログラム

1990年代中頃から、アレーニア・アエルマッキは民間航空機用のエンジンナセル供給プログラムにも参画。1999年にはユレル・デュボワと合弁事業をスタートさせ、エンジンナセルに必要な冷却部品やインレット、システムインターフェースの開発を行いました。特に、100席未満の航空機に搭載するナセルについての責任を担っています。

アレーニア・アエルマッキは、その技術力と経験により、航空機製造の分野で重要な役割を果たし続けています。

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