マックス・プランク天体物理学研究所

マックス・プランク天体物理学研究所 (MPA) について

マックス・プランク天体物理学研究所（MPA: Max-Planck-Institut für Astrophysik）は、ドイツ・バイエルン州のガルヒンク・バイ・ミュンヘンにある、マックス・プランク協会に属する研究機関です。理論天体物理学の研究において世界を牽引する存在として知られています。

歴史

MPAは、1958年にマックス・プランク物理学・天体物理学研究所の独立部門として設立されました。初代所長はルードヴィッヒ・ビーアマンです。その後、1979年に現在の場所であるガルヒンクに移転しました。1991年には、マックス・プランク物理学・天体物理学研究所が、物理学、宇宙物理学、地球外物理学の3つの研究所に分割され、MPAはその一つとなりました。さらに1995年には、数値相対論グループが、ポツダムのマックス・プランク重力物理学研究所として独立しました。

マックス・プランク協会は、第二次世界大戦後に解散したカイザー・ウィルヘルム学術振興協会の後継として、1948年に設立されました。協会の名前は、量子論の創始者の一人であるマックス・プランクに由来しています。

組織

MPAは、天文学と天体物理学を専門とするマックス・プランク研究所の一つです。近隣には、マックス・プランク地球外物理学研究所があり、また、ハイデルベルクのマックス・プランク天文学研究所、ボンのマックス・プランク電波天文学研究所、ゲッティンゲンのマックス・プランク太陽系研究所、ゴルムのマックス・プランク重力物理学研究所（アルバート・アインシュタイン研究所）などがあります。

MPAは、ヨーロッパ南天天文台の本部にも隣接しており、ミュンヘン大学やミュンヘン工科大学との連携も密接です。

研究所には、常時約50名の科学者が在籍し、30名以上の博士課程の学生を指導しており、また、年間約60名の客員研究者が訪れています。

現在の所長は、2020年現在、Volker Springel、Guinevere Kauffmann、小松英一郎の3名です。

研究分野

MPAでは、理論的な研究を中心に、幅広い天体物理学の分野をカバーしています。

計算宇宙物理学: 銀河や銀河団、宇宙の大規模構造のコンピュータシミュレーション。
現代宇宙論: インフレーション理論、宇宙の加速膨張など、宇宙の起源と進化に関する研究。
銀河の形成と進化: 宇宙の再電離や宇宙マイクロ波背景放射など、銀河の形成と進化の過程に関する研究。
高エネルギー天体物理学: 超大質量ブラックホール、活動銀河核、X線連星、降着円盤など、高エネルギー現象の研究。
* 恒星物理学: 超新星爆発やガンマ線バーストなど、恒星の進化と終末に関する研究。

アウトリーチ活動

MPAは、天体物理学の知識を一般の人々に広めるための活動にも力を入れています。具体的には、科学者が執筆した一般向けの科学記事の公開、学校グループの見学受け入れ、一般公開イベントの開催、研究ハイライトの毎月公開などを行っています。

大学院プログラム

MPAは、ミュンヘン大学、ミュンヘン工科大学と協力して、マックス・プランク国際研究大学院 (IMPRS) を運営しています。この大学院プログラムでは、天体物理学の博士号を取得することができます。

MPAは、世界をリードする天体物理学研究機関として、数々の重要な発見と成果をあげています。その活動は、天文学と宇宙物理学の発展に大きく貢献しています。

マックス・プランク天体物理学研究所公式サイト
マックス・プランク国際研究大学院

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