マッシュルームカット

マッシュルームカット

マッシュルームカット、またの名をモップ・トップやモップ頭は、ビートルズが広めたことで広く知られるようになった髪型です。この髪型は、ビートルズがドイツに滞在していた時期に、芸術大学の学生たちの間で流行していたスタイルが元になっています。特に、ビートルズの初期のベーシスト、スチュアート・サトクリフの恋人でありカメラマンを志望していたアストリッド・キルヒャーの影響が大きいとされています。

ビートルズのメンバーの中で、最初にマッシュルームカットにしたのはギタリストのジョージ・ハリスンであり、その後、最終的にジョン・レノンがこのスタイルにすることになりました。マッシュルームカットは、前髪が眉毛の上で切り揃えられ、全体がマッシュルームのように丸く膨らんでいる形が特徴です。この特徴から、モップのような形状とも捉えられ、「モップ・トップ」と呼ばれることも多いです。

また、日本では皮肉を込めて「おかっぱ頭」と呼ばれることもあります。

マッシュルームカットの影響

ビートルズの音楽が世界的に成功した後、彼らの髪型やスタイルは多くのアーティストに影響を及ぼしました。例えば、ローリング・ストーンズのメンバー、ブライアン・ジョーンズもこの髪型を採用していました。アメリカでは、ビートルズの成功に続いてザ・バーズというバンドもこのスタイルを取り入れ、当時のポップカルチャーのアイコンとして定着しました。

さらに、日本においても1960年代のグループサウンズブームやフォークソングブームの時期に、多くのミュージシャンがマッシュルームカットをするようになりました。現在の日本のタレントやアーティストの中でも、バナナマンの日村勇紀や佐藤栞里、吉本新喜劇のたいぞうなどがこのスタイルを取り入れています。草野マサムネやふかわりょうなども、かつては似た髪型をしていました。

女性におけるマッシュルームカット

女性の髪型としてもマッシュルームカットは存在し、おかっぱやボブカットとして一般的に知られています。特に内巻きに仕上げられた丸みを帯びたスタイルは、マッシュルームカットとして特別に認識されることがあります。

フィクションにおけるマッシュルームカット

創作の世界でも、この髪型は注目されています。例えば、漫画『デトロイト・メタル・シティ』では主人公の根岸崇一がこの髪型をしており、時にそのスタイルを皮肉られることもあります。テレビドラマ『ライアーゲーム』では、フクナガユウジというキャラクターがこの髪型になっており、その外見から「キノコ」と呼ばれています。また、ドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』では、登場人物のメレブが金髪のマッシュルームカットで、劇中に「きのこヘッド」と呼ばれるシーンが見られます。

ボウルカットとの違い

なお、マッシュルームカットの前にはボウルカット（Bowl cut）が存在しており、こちらもボウルのような形をしたカットです。ボウルカットはマッシュルームカットよりも後ろの髪が少し短く、似たスタイルですが微妙に異なる点があります。

このように、マッシュルームカットはシンプルながらも多くのアーティストや文化に影響を与え、今なおその存在感を誇っています。

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