マット・キーオ

マシュー・キーオ：波乱万丈な野球人生と阪神タイガースでの輝き

マシュー・ロン・キーオ（Matthew Lon "Matt" Keough, 1955年7月3日 - 2020年5月1日）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ポモナ出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として、MLBとNPBで活躍しました。父は元プロ野球選手のマーティ・キーオ。

MLBでの挑戦

オークランド・アスレチックスに内野手として入団しますが、マイナー時代に投手へ転向。1977年にメジャーデビューを果たします。当時のアスレチックスは、黄金時代を築いたスター選手たちがFAで移籍し、チーム力は低下していました。1978年には防御率3.24と好投するも、援護に恵まれず8勝15敗。1979年には開幕から14連敗を喫するなど、2勝17敗と苦しいシーズンを送りました。しかし、1980年には自己最多の16勝を挙げ、カムバック賞を受賞。その後も3年連続で2桁勝利を記録し、実力を見せつけました。

1983年途中にニューヨーク・ヤンキースへ移籍。その後、セントルイス・カージナルス、シカゴ・カブス、ヒューストン・アストロズと渡り歩き、1987年に阪神タイガースへ入団することになります。

阪神タイガースでの活躍

来日後、キーオはオープン戦での好成績から開幕投手に抜擢され、弱体化していた阪神投手陣のエースとして活躍します。日本球界でのプレー経験がない外国人投手が開幕投手を務めたのは初めてのことでした。ストレートとカーブを武器に、打線の援護が少ないながらも3年連続2桁勝利を記録。1989年には15勝を挙げ、チームを支えました。

また、投手ながら2本塁打を放つなど、打撃センスも光りました。1990年に足を故障し、7勝に終わったことから自由契約となりますが、岡田彰布はキーオを「これまで一緒にプレーした外国人投手の中で、一番印象に残っている選手」と語っています。

その後

阪神退団後、キーオはメジャーリーグ復帰を目指しますが、オープン戦で頭部に打球を受け、手術を余儀なくされます。その後、3Aでプレーしましたが、メジャー復帰は叶いませんでした。

2005年にはオークランド・アスレチックスでGM補佐を務めますが、飲酒運転で逮捕されるなど、私生活ではトラブルも抱えていました。

人柄

父が日本でプレーしていたこともあり、ある程度の日本語を話すことができ、ユーモアのセンスも持ち合わせていました。元阪神の藪恵壹を高く評価しており、アスレチックスへの獲得を進言したことも知られています。

2020年5月1日、南カリフォルニアで死去。64歳でした。

マシュー・キーオは、波瀾万丈な野球人生を送りながらも、MLBとNPBで輝かしい実績を残しました。特に阪神タイガースでの活躍は、多くのファンに記憶されています。彼の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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