マット・スローソン

マット・スローソン：不屈の精神で道を切り開いたNFLガード

マット・スローソン（Matt Slauson, 1986年2月18日 - ）は、オハイオ州シンシナティ出身のアメリカンフットボール選手です。ポジションはガードを務めていました。

大学時代：ネブラスカ大学での躍進

ネブラスカ大学に進学後、1年次はスペシャルチームの一員としてキャリアをスタートさせました。しかし、シーズン終盤にはオフェンスラインのローテーションに加わるなど、その才能の片鱗を見せ始めます。

2年次には、右タックルとして11試合に先発出場。チームのトータルオフェンスは全米14位を記録し、4人のランニングバックが合計2,400ヤードを走破、26タッチダウンをあげるという目覚ましい成績を残しました。また、QBザック・テイラーが大学のシーズンパス記録を更新し、カンファレンスの最優秀攻撃選手に選ばれるなど、チーム全体のレベルアップに大きく貢献しました。スローソン自身もAP通信などのメディアから、カンファレンスのセカンドチームに選出されています。

3年次には、右ガードおよび左右のタックルとして12試合に出場（うち先発8試合）。カンザス州立大学戦では左タックル、最終週のコロラド大学戦では右タックルとして先発出場を果たしました。この年、チームのトータルオフェンスは1試合平均468.2ヤード、パスオフェンスは大学記録となる1試合平均323.8ヤードを獲得。オフェンスラインはパス296回中、わずか18サックしか許さなかったという記録が残っています。

4年次には、右ガードとして全13試合に先発出場し、ビッグ12カンファレンスのセカンドチームに選ばれるなど、その実力をいかんなく発揮しました。

NFLでのキャリア：多様なチームでの活躍

2009年のNFLドラフト6巡でニューヨーク・ジェッツに指名され、プロのキャリアをスタートさせました。当時のオフェンスラインコーチは、ネブラスカ大学時代のヘッドコーチであり、スローソンを指導した経験がありました。1年目は、ガードとセンターで3試合に出場。

2010年、ジェッツがアラン・ファニカを放出した後、先発の座を掴み取りました。2012年には全試合に先発出場し、相手選手にサックを許さないという堅実なプレーを見せました。

その後、シカゴ・ベアーズ（2013-2016）、サンディエゴ・チャージャーズ（2016-2017）、インディアナポリス・コルツ（2018）と、様々なチームで活躍しました。チャージャーズではセンター、その他のチームでは主にガードとして出場しています。

2019年2月6日、現役引退を表明しました。

プレースタイルと人物像

スローソンは、ランブロッカーとして高く評価されていました。また、幼少の頃に吃音と言語障害を患っていたという過去を持っています。

エピソード

2011年、デトロイト・ライオンズのエンダムカン・スーに対する批判が集まった際、大学時代のスーはチームメートから慕われる存在ではなかったことを明かし、スーをコントロールする必要があると語りました。また、プレーオフ出場が厳しくなった際には、批判が集まるマーク・サンチェスを擁護するなど、チームメイトを大切にする一面も見せています。

2012年のヒューストン・テキサンズ戦でのプレーを巡っては、物議を醸しました。ブライアン・クッシングの膝下にカットブロックを行い、クッシングが左膝ACLを断裂し、シーズン絶望となったのです。このプレーは反則とはなりませんでしたが、後に不正なピールバックブロックであったとして、1万ドルの罰金が科せられました。

マット・スローソンは、決してエリート選手ではありませんでしたが、その堅実なプレーとチームへの貢献で、NFLの舞台で長く活躍した選手でした。

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