マット・トッド

マット・トッド（Matt Todd）は、1988年3月24日にニュージーランド南島の都市クライストチャーチで生まれた、かつてプロラグビー選手として活躍した人物です。現役時代は主にフランカー（FL）としてプレーし、身長185cm、体重104kgの強靭な体格を活かしたブレイクダウンでの激しいプレーと、豊富な運動量を武器とする選手でした。

彼のラグビーキャリアは、地元の名門であるクライストチャーチボーイズ高校で基礎を築くことから始まりました。高校卒業後、スーパーラグビーの強豪であるクルセイダーズに加入。このチームで長年にわたり、攻守両面において重要な役割を担い、クルセイダーズが数々のタイトルを獲得する上で中心的な存在となりました。ハードワークを厭わないプレースタイルで、多くのラグビーファンから支持を集めました。

国際舞台では、ニュージーランド代表「オールブラックス」の一員として輝かしい経歴を持ちます。2013年6月22日に行われたフランス代表戦で記念すべき代表初キャップを獲得しました。その後、特に2015年から2019年にかけて定期的にオールブラックスのスコッドに選出され、合計25キャップを記録しました。また、世界最高峰の大会であるラグビーワールドカップにも出場しており、2019年に日本で開催された大会ではニュージーランド代表として4試合でプレーし、世界の強豪相手に持ち前のタックルと献身的なプレーを見せました。オールブラックス以外にも、国際的な選抜チームであるバーバリアンズにも名を連ねた経験があります。

キャリアの後半には、日本のラグビーリーグでもプレーの場を求めました。2018年には、当時のジャパンラグビートップリーグに所属していたパナソニック ワイルドナイツ（現在の埼玉パナソニックワイルドナイツ）に入団。同年8月31日に行われたリーグ開幕節のクボタスピアーズ戦で先発出場し、日本国内での公式戦デビューを果たしました。パナソニックで1シーズン過ごした後、2019年には同じくトップリーグの東芝ブレイブルーパス（現在の東芝ブレイブ東京）に移籍しました。東芝では、リーグワンへと再編成された日本のプロリーグにおいても中心選手として活躍。2021-22シーズンには、その卓越したパフォーマンスが評価され、ジャパンラグビーリーグワン2022シーズンのベスト15（フランカー部門）に選出されるなど、日本ラグビー界にも確かな足跡を残しました。

2023年、マット・トッドは長年にわたる現役プロ選手としてのキャリアに終止符を打ちました。引退後、彼は選手として大成した古巣であるクルセイダーズのアシスタントコーチに就任し、指導者としての新たな道を歩み始めました。選手時代に培った戦術眼や経験を次世代の選手たちに伝え、チームのさらなる発展に貢献しています。ニュージーランド、スーパーラグビー、そして日本といった様々な舞台でプロフェッショナルとして活躍し、ラグビー界に大きな貢献をした選手です。

もう一度検索