マッドストーン

『マッドストーン』の概要

1974年に公開された『マッドストーン』（原題：Stone）は、オーストラリア発のバイオレンス・アクション映画です。本作は、暴走族（モーターサイクル・ギャング）と一人の刑事が共闘し、暗殺事件に立ち向かう姿を描いています。

公開の背景

日本では1981年に公開され、同じくオーストラリア映画の『マッドマックス』のヒットを受けて「マッド」というタイトルがつけられました。確かに、ストーリーや設定においては『マッドマックス』の原型とも言われており、その影響力は広範囲に及んでいます。

ストーリーの概要

物語は、シドニーの公園で環境保護活動家のタウンズが暗殺されるシーンから始まります。彼の暗殺を目撃した暴走族「グレイブ・ディガーズ」のメンバー、通称「ガマ蛙」は、麻薬の影響下にあり、自身が犯人だと誤解します。その後、口封じのために「墓掘り軍団」のメンバーが次々と殺されていく事件が展開されます。

警察はこのバイカーの連続殺人事件を捜査し、若手刑事のストーンに「墓掘り軍団」に潜入するよう命じます。ストーンは、リーダーである「葬祭屋」の命を救ったことを契機に、彼らのグループに参加します。次第に彼は、ギャングたちの魅力に引き込まれていきます。

ある日、「墓掘り軍団」と対立するグループ「ブラック・ホークス」との衝突が発生。公害を引き起こした企業が仕掛けた罠により、ギャングたちは危険な目に遭います。企業の仲介で雇われた殺し屋によって、「墓掘り軍団」は襲撃を受け、その中で「ガマ蛙」と「死神」が致命傷を負います。異なる道を歩んできたストーンと「墓掘り軍団」は、この事件をきっかけに信頼関係を失っていきます。

人物描写とテーマ

ストーンは元々警察に所属しながら、ギャングの世界で少しずつ絆を築いていきます。彼らの自由な生き様には、時に共感し、反発しつつも複雑な感情を抱く様子が描かれています。彼の葛藤は物語全体を通じて重要な要素となり、最終的には法と私情の狭間での選択が彼にもたらす結果がクライマックスの鍵となります。

キャスト

『マッドストーン』のキャストは、オーストラリアの映画界で活躍する俳優たちで構成されています。特に、ケン・ショーターがストーン役を演じており、サンディ・ハーバートやヒュー・キース＝バーンなどの多くの俳優が印象的な演技を披露しています。また、いくつかの役は『マッドマックス』にも出演している俳優によって演じられています。

製作と撮影

本作は、オーストラリア映画開発公社からの支援を受け、シドニーで撮影されました。そのロケーションの美しさや、当時のバイカー文化がリアルに描かれ、観る者に強烈な印象を与えます。

影響と遺産

『マッドストーン』は、70年代の暴走族の実態やサイケデリックな映像美を通じて後の作品に多大な影響を与えました。「首なしライダー」の都市伝説が広まったのも本作が影響を及ぼしたと言われています。681年には、映画の影響を振り返る『ストーン・フォーエバー』というドキュメンタリーが制作され、作品の魅力とその背景を探ることができる貴重な資料となっています。

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