マツダランプの歌

「マツダランプの歌」についての詳細な考察

概要

「マツダランプの歌」とは、1957年に東芝が提供していた電球ブランド「マツダ」のために制作されたコマーシャルソングです。この楽曲は、作詞を原田スズヨ、補作を西條八十、作曲を米山正夫が手掛けています。

歴史的背景

この楽曲のルーツを探ると、東芝の前身企業である東京電気株式会社に辿り着きます。東京電気は1913年からアメリカのGEからライセンスを受け、「マツダランプ」の商標で電球を製造していました。1917年には社報『マツダ新報』に同名の歌を掲載しましたが、それは後にCMソングとして作られたものとは異なる曲です。

この古い「マツダランプの歌」は、取締役であった新荘吉生が作詞し、旋律は中山晋平による「カチューシャの唄」の転用がなされていました。この替え歌版は「MAZDA SONG」として英語版も存在するなど、多様な展開を見せました。

「マツダランプの歌」の制作

1949年に吉祥寺に店を構えた東芝が「マツダランプの歌」を新たに制作した際には、企業の広告戦略が重要な役割を果たしました。戦後、民間放送が解禁されたことで、企業はCMソング制作に力を入れ始め、東芝もその流れに乗りました。広告に応募する形で、歌詞の懸賞が行われ、全国から寄せられた84,952篇の応募作の中から入選作が選ばれました。審査委員を務めた西條八十は、選ばれた作品に対し深い感銘を受けたと記しています。

音源の詳細

楽曲が録音されたレコードは、東芝レコードが製造したSP盤（型番：SPR-1）で、A面には藤山一郎と荒井恵子のデュエットが収録され、B面にはダークダックスの合唱版が収められました。歌詞カードでは「マツダランプの歌」と表記されていますが、レコードの盤面や広告では「東芝の」が冠されるなど、表記に一貫性がなかったことが興味深いです。さらに、日本音楽著作権協会（JASRAC）では「マツダランプの唄」として登録されています。

メディアでの使用

TV番組のオープニングでの使用も noteworthyで、KRT（後のTBSテレビ）の『東芝日曜劇場』やフジテレビの『東芝土曜劇場』では、東芝本社のネオンサインが背景に映る映像と共に、ダークダックスのバージョンがBGMとして流れていました。

ブランドの移り変わり

しかし、1962年に「マツダ」というブランド名は使用されなくなり、以降は『東芝日曜劇場』のオープニングテーマも「光る東芝の歌」（作詞：峠三四郎、作曲：越部信義）に取って代わられることとなります。

まとめ

「マツダランプの歌」は、企業文化と広告戦略の変遷を表す重要な楽曲です。その背後には、当時の音楽界や広告業界におけるさまざまな試みが存在しました。この歌は日本の商業音楽の歴史の一部として、今もなお多くの人々に記憶されています。

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