中山晋平

中山 晋平（なかやま しんぺい）

中山晋平は1887年3月22日に長野県で生まれ、1952年12月30日に亡くなった日本の著名な作曲家です。彼は多くの童謡、流行歌、新民謡を手掛け、1770曲以上の作品が確認されています。その中には学校の校歌や社歌も含まれ、多岐にわたる音楽活動を展開しました。

中山の音楽の特徴として、長調の作品がほとんどヨナ抜き音階で作曲されていることが挙げられます。また、童謡の中には「兎のダンス」や「蛙の夜回り」といった独自のリズム感を持つピョンコ節が存在し、彼のスタイルは「晋平節」として多くの人に親しまれています。

経歴

中山の生家は昔から村の名主を出すような家庭でありましたが、父の急死により家計が困窮し、母親に育てられることになりました。彼は長野師範学校講習科を修了後、1903年に尋常高等小学校の代用教員として勤務。彼の唱歌への情熱は生徒たちに影響を与え、称賛されました。その後、1905年に上京し、島村抱月の書生として過ごしました。

1908年には東京音楽学校の予科に入学し、翌年には本科に進みました。1912年に卒業後、浅草の千束小学校の音楽専任教員として働きながら作曲活動を行いました。彼の名前が広く知られるようになったのは、1914年に作曲した劇中歌「カチューシャの唄」が松井須磨子によって歌われることで大ヒットしたことからでした。

その後も、1917年には北原白秋の詞による「さすらいの唄」や、「今度生まれたら」を発表。この曲の歌詞がわいせつとみなされ、発禁となるという影響を受けました。1919年に「芸術座」が解散すると、彼は童謡を発表するようになりますが、その際は変名を使用するなどし、徐々に童謡作曲に取り組むようになります。

1920年代には、野口雨情とのコラボレーションで多くの童謡を発表。また、「新民謡」にも力を入れ、141曲を創作しました。1928年からは日本ビクターの専属作曲家として活躍し、藤原義江や佐藤千夜子といった歌手とともに数多くのヒット曲を生み出します。

後半生と死

中山は1937年に再婚し、1942年には日本音楽文化協会の理事長に就任。その後、1944年には疎開し、日本音楽著作権協会の理事長を経て、1948年には会長に就任しました。戦後は作曲活動がほとんど行われず、1952年には第2回NHK紅白歌合戦の審査委員長を務めましたが、同年12月2日に倒れ、膵臓炎により65歳で命を落としました。彼が亡くなる前には、自らの作った曲「あの町この町」を口ずさんでいたと言われています。

告別式には多くの人々が参列し、「哀悼歌」や「カチューシャの唄」が歌われました。彼の作品は今でも多くの人によって歌い継がれ、中山晋平の名は日本の音楽史に刻まれています。

代表作

中山の作曲した作品には、数多くの著名な童謡や流行歌があります。童謡の中には「シャボン玉」「てるてる坊主」「あめふり」「証城寺の狸囃子」などがあり、流行歌には「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「波浮の港」などがあります。また、彼の作品は全国でおよそ3000曲に及び、多くが校歌としても使用されています。

今日は、中山晋平の業績とその影響力を再認識することが大切であり、彼の音楽が今も私たちの心に響き続けていることを忘れてはなりません。

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