マツダ・ベリーサ

マツダ ベリーサ：プレミアムコンパクトカーの11年

マツダ ベリーサは、2004年6月28日に発売された、日本市場専用のセミトールワゴン型コンパクトカーです。アクセラの登場により姿を消したファミリアとデミオの間に位置づけられ、両車の魅力を融合したモデルとして開発されました。開発責任者は、かつての愛車であった5代目ファミリアハッチバックを彷彿とさせるデザインを目指したと語っています。

ベリーサ最大の特徴は、同クラスでは珍しい充実した装備です。本革シート（オプション）、アドバンスドキーシステム（標準装備）などを採用し、アテンザの部品を流用したという前席シートは、快適な座り心地を提供しました。後席は広々とした空間を確保するため、シートアレンジの自由度を犠牲にする設計となっています。さらに、遮音材を豊富に使用することで、静粛性の高い室内を実現しています。これらの装備により、ベリーサは「プレミアムコンパクトカー」という位置づけを目指していました。

搭載エンジンは1500ccのみで、トランスミッションはATのみの設定でした。駆動方式は前輪駆動に加え、日産のe-4WDシステムを採用した4WDモデルもラインナップ。2004年には、第25回日本カー・オブ・ザ・イヤーベストバリュー賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

発売から2015年11月の生産終了まで、モデルチェンジすることなく、継続的に販売されました。販売面では必ずしも成功したとは言えませんが、充実した装備、優れた視界、運転のしやすさ、そしてスタイリッシュなエクステリアデザインなどから、幅広い年齢層に支持されました。

ベリーサのモデルライフと変遷

ベリーサは、2004年の発売から2016年3月の販売終了まで、約11年9ヶ月にわたって販売されました。この期間、数多くの改良や特別仕様車が発売され、進化を遂げていきました。主な変更点は以下のとおりです。

2004年:
6月28日：発売開始。
11月11日：日本カー・オブ・ザ・イヤー2004-2005 ベストバリュー賞受賞。
12月9日：限定車「L style」発売。

2005年:
6月7日：一部改良。「L」と「C」の2グレード体系に。
12月21日：「Brown Collection」発売。

2006年:
8月4日：マイナーチェンジ。インテリア、エクステリア、装備を刷新。
12月22日：「T Style」発売。

2007年:
12月5日：「Stylish V」発売。

2009年:
5月11日：一部改良。ボディカラー、内装、装備を変更。

2010年:
7月26日：一部改良。内装、装備を刷新。JC08モード燃費に対応。

2011年:
4月：仕様変更。ボディカラー追加。
11月28日：「CLASSY STYLE」発売。

2012年:
6月28日：一部改良。ボディカラー、内装、安全装備を変更。

2013年:
7月11日：一部改良。スーパーUVカットガラスを標準装備。特別仕様車「ミスティックレザーセレクション」発売。
12月12日：「マゼンタセレクション」発売。

2014年:
4月1日：消費税率改定に伴う価格修正。

2015年:
4月23日：「Noble Couture」発売。
11月末：生産終了。
12月末：公式ホームページ掲載終了。

2016年:
3月末：販売終了。

これらの改良を通じて、ベリーサは時代のニーズに対応し、常に魅力的なモデルであり続けました。しかし、後継車はなく、2014年9月にフルモデルチェンジしたデミオ（後のMAZDA2）に統合されました。

車名「ベリーサ」の由来

車名の「ベリーサ (VERISA)」は、イタリア語の「Verita」（真実）と英語の「Satisfaction」（満足）を組み合わせた造語で、「真の充足」という意味が込められています。この名前は、ベリーサが目指した、上質な装備と快適な運転体験を象徴していると言えるでしょう。

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