マツダ・B360

B360（ビーさんびゃくろくじゅう）

マツダがかつて製造した軽商用車B360は、1961年に市場に登場しました。この車両は、マツダが製造したオート三輪のK360の後に開発され、両者は互いの特徴を生かしながら同時に販売されていました。特にB360は、ボンネット型トラックとライトバンの2つのバリエーションがあり、ライトバンモデルには「ビーバン」という愛称が付けられ、親しまれました。

歴史の流れ

B360の販売は1961年2月から始まり、すぐに多くのユーザーに支持されました。続く1963年9月には中期型へのマイナーチェンジが行われ、フロント周辺のデザインが変更されました。このデザイン変更は、同社から発売されていたB1500を参考にしており、非常に特徴的でした。また、エンジンも当初のV型2気筒空冷エンジンから、水冷の直列4気筒エンジンへと変更されたことで、性能向上が図られました。

1965年には、さらなるマイナーチェンジが実施されました。この改良では、再びフロント周辺がデザイン変更され、ヘッドランプの形状も丸型から正方形に変わるなど、見た目の印象が大きく変わりました。しかし、時が経つにつれてB360は生産を終了せざるを得ず、1968年11月にその製造が止まりました。B360の後継車としてはポーターが登場しています。

ミャンマーでの生産

B360の特徴的な要素の一つは、1960年代にミャンマー（当時はビルマ）にも輸出されていた点にあります。B360およびB600、さらにオート三輪のK360とT600は、現地での需要に応え、販路を広げていきました。当地には国営企業「MYANMAR Automobile and Diesel Engine Industries（MADI）」が設立されており、1973年以降、B360やK360の現地生産が開始されました。

このMADIでは、1990年代末頃まで現地での生産が続けられ、多くのB360モデルとK360シリーズが現役で走っています。これにより、現在でもミャンマーの道路でB360を見かけることができるのです。

ロータリーエンジンの実験

また、B360はマツダのロータリーエンジンの走行実験においても重要な役割を果たしました。B360に搭載されたロータリーエンジンは、マツダの技術革新の一環として位置づけられており、今後のラインアップにも影響を与えました。

結論

B360は、その独特のデザインや多機能さから多くのファンを惹きつけてきました。そして、その影響は現在に至るまで続いており、マツダの歴史においても非常に重要な位置を占める車両の一つです。B360は、ただの軽商用車ではなく、マツダの技術革新とグローバル展開の象徴とも言える存在です。

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