マツダ・CX-9

マツダCX-9：北米市場を席巻した3列シートSUV

マツダCX-9は、マツダが製造・販売した3列シート7人乗り大型クロスオーバーSUVです。2007年から2023年まで北米市場を中心に販売され、力強い走りと広い室内空間で高い人気を博しました。日本市場への導入はありませんでしたが、その技術や設計思想は、CX-8など後継車種に受け継がれています。

初代CX-9 (2007-2016年)：V6エンジンの力強さと高い評価

初代CX-9は、北米市場でミニバンの需要減少を背景に、3列シートのCUVとして登場しました。マツダCX-7を彷彿とさせるデザイン、そしてフォードCD3プラットフォームを拡大したプラットフォームを採用。パワートレインは、フォード・サイクロンエンジンのマツダ版であるV型6気筒MZIエンジンを搭載し、滑らかな走りを実現していました。

発売当初は3.5Lエンジンでしたが、2008年には3.7Lに排気量がアップ。最大出力も向上し、より力強い走行性能を獲得しました。トランスミッションはアイシンAW製の6速ATと組み合わせられ、スムーズなシフトチェンジを提供しました。

その優れた性能は高い評価に繋がり、アメリカの自動車専門誌『モータートレンド』において「SUV of the Year」を受賞。さらに、「2008 North American Truck of the Year」にも輝き、日本車の受賞はホンダ・リッジライン以来の快挙となりました。

2009年にはマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインを刷新。2012年には、マツダの新しいデザインアイコン「魂動」を採り入れた大胆なフロントマスクに変更された、二度目のマイナーチェンジモデルが発表されました。

2代目CX-9 (2016-2023年)：SKYACTIV技術の導入と進化

2016年に登場した2代目CX-9は、先代のV6エンジンからSKYACTIV-G 2.5Lターボエンジンへと変更。燃費性能と環境性能の向上を実現しました。初代と比較して車幅はコンパクトになりましたが、同等の広々とした室内空間を確保することに成功しています。

日本市場への導入は見送られましたが、そのプラットフォームとサスペンションは、日本市場で販売されたCX-8に受け継がれました。CX-8は、CX-9の優れた居住性と走行性能を、日本の道路事情に合わせたサイズ感で提供するモデルとして開発されました。

2019年には、上級グレードにApple CarPlayとAndroid Autoといったスマートフォン連携機能が追加されました。さらに、360°ビューモニターやシートクーラーといった快適装備も充実し、利便性と快適性の向上が図られました。

2023年には、アメリカ市場での販売が終了することが発表されました。

まとめ：マツダの技術とデザインを凝縮したCX-9

マツダCX-9は、北米市場においてマツダの技術とデザインを凝縮した3列シートSUVとして存在感を示しました。V6エンジン搭載の力強い走り、広い室内空間、そして先進的な安全・快適装備は多くのユーザーを魅了しました。日本市場への導入は叶いませんでしたが、その技術はCX-8へと受け継がれ、日本市場においてもマツダのSUV戦略に貢献しています。初代から2代目へと進化を遂げたCX-9の歴史は、マツダの挑戦と革新の歴史の一端を垣間見ることができるでしょう。

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