マティアス (神聖ローマ皇帝)

マティアス (Matthias) - 神聖ローマ皇帝

マティアス（1557年2月14日 - 1619年3月20日）は、神聖ローマ皇帝として1612年から1619年にかけて在位した。彼は、ハンガリー国王としてマーチャーシュ2世、ボヘミア国王としてはマティアス・ハプスブルスキーとして知られています。彼はマクシミリアン2世と皇后マリアの四男であり、第6代皇帝ルドルフ2世の弟でもありました。兄との関係は緊張しており、宗教問題への無策を見かねてマティアスは帝位を簒奪しましたが、これは彼の治世を混乱させる結果にも繋がりました。

生涯の初期

1578年、マティアスはネーデルラント17州の統治者として招かれました。スペイン国王フェリペ2世はこの統治を認めませんでしたが、マティアスは1581年にネーデルラントの独立宣言が行われるまで留まり続けました。この期間、マティアスは宗教的平和を確立し、ユトレヒト同盟の協定の中で信教の自由を謳っていました。

オーストリア総督と対立

1593年には兄ルドルフ2世によってオーストリア総督に任命され、ウィーン司教で後に彼の右腕となるメルキオル・クレスルとの密約を結びました。この結果、1605年には兄にハンガリーの宗教的反乱者と接触する許可を得ました。これにより翌1606年にウィーンの平和が成立し、ハンガリー王国の信教の自由が保障されました。ルドルフ2世が病に倒れると、マティアスはハプスブルク家の家長として帝位を伺う立場に立ちます。

皇帝としての施策

マティアスは1612年に神聖ローマ皇帝に即位すると、彼の政策は主にメルキオル・クレスルの影響を受けることとなりました。彼はカトリックとプロテスタントの融和を求めましたが、実際にはボヘミアにプロテスタントの教会を設立することを禁じていたため、内部での対立を生む結果となりました。特に、弟のマクシミリアン3世はこの政策に反発し、カトリック強硬派のフェルディナント2世（のちの皇帝）の昇進を望んでいました。

1617年、フェルディナント2世がボヘミアの新王となると、カトリックとプロテスタント間の対立は一層深まります。1618年にプロテスタントによる反乱が起き、マティアスはマクシミリアン3世を拘束し、融和政策を変更せざるを得なくなりました。しかし、彼は病床に伏しており、彼の地位が脅かされることを止めることはできませんでした。これにより三十年戦争に突入する布石が打たれたのです。

死去とその後の影響

マティアスは1619年にウィーンにて死去しました。皇后アンナとの間には子供がおらず、帝位はフェルディナントに引き継がれました。彼の治世は、さまざまな宗教的・政治的な緊張が交錯した時代を反映しており、後のシェーンブルン宮殿の建設地名付け親ともされています。歴史的な背景の中で、マティアスの統治は三十年戦争の引き金ともなり、その影響はヨーロッパ全体に及びました。

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