マティアス・デ・ロベル

マティアス・デ・ロベルの生涯と業績

マティアス・デ・ロベル（Mathias de l’Obel, 1538年 - 1616年3月3日）は、フランドル地方のリールに生まれた著名な医師および植物学者です。彼は特に植物誌『Plantarum seu stirpium historia』で知られ、その内容は植物学の発展に大きく貢献しました。

彼の教育は、1571年から1581年の間にアントウェルペンやデルフトで受けました。医学を学ぶ傍ら、彼は植物に対する興味を深めていきました。1584年には、オランジュ公ウィレム1世の侍医として仕官し、その後、宗教的な内乱の影響でイギリスへ逃れ、英国王ジェームズ1世の侍医となります。ここで彼は、国王付の植物学者としても活動し、第11代Zouche男爵の設立した植物園の顧問を務めました。

葉の形で植物を分類

デ・ロベルは、彼の著作『Plantarum seu stirpium historia』を通じて1500種の植物についての詳細な情報を提供しました。この植物誌は、モンペリエやチロル、オランダの植物を記録しており、268枚の木版に描かれた小さな図が添えられています。彼の生前、出版された初版は1571年と1576年にリリースされ、その内容は広く評価されました。

また、彼の著作の第2版では、植物の名称を7つの言語で索引化するという工夫が加えられただけでなく、クルシウスやドドエンス、マッティオリといった著名な植物学者の作品から2000以上の図版が引用されました。これにより、彼の植物誌はますます信頼性を増し、利用者にとって有益な資料となったのです。

重要な著書

デ・ロベルの業績の中でも特に重要視されているのが、以下の著書です：

• - Plantarum seu Stirpium Historia（1676年）：ロンドンで1570年から1571年に出版された『Stirpium Adversaria Nova』の改題、改訂版です。
• - Plantarum seu stirpium icones（1581年）：植物のアイコンズに関する著作です。
• - Icones stirpium, seu plantarum tam exoticarum, quam indigenarum（1591年）：植物学を学ぶ者に向け、多くの言語に基づいた作品で、様々な植物を紹介しています。

デ・ロベルの業績は、植物学の全分野に広く及び、彼はその名を冠した「ミゾカクシ属（学名：Lobelia）」の命名者でもあります。彼の研究は、単なる植物の識別にとどまらず、当時の人々に植物学の重要性を説くきっかけとなりました。

彼の死後も、デ・ロベルの知識と影響力は存続し、今日でも植物学研究において重要な参考資料とされています。

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