マトン

マトンとは

マトン（英: Mutton）は、メスまたは去勢オスの羊の肉であり、特に永久門歯が2本以上ある羊に該当します。羊の永久門歯は一般的に生後約1年で2本生えるため、一般的には生後1年以上の羊がマトンと呼ばれます。この肉はその風味と栄養価の高さから、さまざまな料理に用いられています。

代表的な料理

マトンを用いた料理の中で、日本で最も有名なのは「ジンギスカン」です。ジンギスカンは、タレに漬け込むか、生の肉を焼いてタレをつけるスタイルがあり、マトンは特にタレ付けで使われることが多いです。

また、アイルランドに伝わる「アイリッシュシチュー」は、マトンの首周りの肉とジャガイモ、玉ねぎをハーブと共に煮込む家庭料理であり、それぞれの家庭で異なるレシピが存在します。その他にも、カレーやケバブ、ビリヤニ、羊肉串、火鍋など多様な料理に利用されることも特徴です。特に内陸ユーラシアの遊牧地帯や宗教上の理由で食肉が制限される地域では、マトン料理が発展しています。

特徴

マトンはラム肉よりも一回り大きく、脂肪も豊富です。羊肉独特の香りが強く、初めて食べる人にはちょっとクセがあると感じられることもありますが、北海道などでラム肉を好む人々にとっては、マトンならではのコクがあり、しっかりとした味わいを楽しむことができると評判です。

マトンの香りの一因には、特有の分岐鎖脂肪酸が影響しています。具体的には、4-メチルオクタン酸、4-メチルノナン酸、及び4-エチルオクタン酸の3種類が関係しています。さらに、鉄分や不飽和脂肪酸、脂肪燃焼を助けるL-カルニチンが豊富に含まれているのも特徴です。

地方によっては、マトンよりもラム肉が好まれる傾向がある一方で、空知地方の滝川市や砂川市などでは、マトンに味付けをするスタイルが広まっています。

主な部位

マトンは、さまざまな部位に分けられ、料理に応じて使い分けられます。主な部位には、もも肉の「レッグ」、ヒレの「テンダーロイン」、肩肉の「ショルダー」、ロース部分の「バックストラップ」、すねの「シャンク」などがあります。また、ロール肉やトランクミートといった部位も流通しています。これらの部位は、肉質と食べ応えが異なり、さまざまな料理に応じて選ばれます。

マトンは、その特徴的な風味と栄養価から世界中で重宝される食材であり、特に風味を重視する料理では欠かせない存在となっています。

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