マニウス・アクィッリウス (紀元前101年の執政官)

マニウス・アクィッリウスは、古代ローマのアクィッリウス氏族に生まれた軍人であり政治家です。紀元前101年には執政官を務めました。

マリウスの部下として

アクィッリウスはガイウス・マリウスの忠実な部下としてキャリアを重ねました。マリウスが4度目の執政官を目指す選挙運動中には、キンブリ族の脅威に備え、マリウス不在時の軍司令官を任されています。

シキリアでの活躍

紀元前101年、アクィッリウスはマリウスの同僚として執政官に選出されます。当時、ローマはシキリア属州で発生した第二次奴隷戦争による食糧不足に苦しんでおり、アクィッリウスはその鎮圧を命じられました。彼はこの期待に応え、反乱の指導者サルウィウスの軍勢を打ち破り、紀元前99年にはローマで小凱旋式を挙行しました。

しかし、紀元前98年、アクィッリウスはシキリアでの圧政をルキウス・フフィウスに告発されます。弁護の結果、マルクス・アントニウス・オラトルによって弁護され、証拠不十分と功績が考慮され無罪となりました。

小アジアでの失態と最期

紀元前90年、アクィッリウスはポントス王ミトリダテス6世によって追放されたビテュニア王ニコメデス4世を復位させるため、小アジアに派遣されます。彼は目的を達成しますが、さらにニコメデスを唆してポントスを攻撃させました。この行動がミトリダテスの反撃を招き、紀元前88年に第一次ミトリダテス戦争が勃発するきっかけとなりました。

ミトリダテスはプロトスタキウム付近でアクィッリウスを破り、アクィッリウスはイタリアへの脱出を試みますが、レスボス島で捕らえられ、ミトリダテスに引き渡されました。

捕虜となったアクィッリウスは、ロバに乗せられペルガモンまで引き回され、アナトリアの人々に対する罪を告白するよう強要されます。アクィッリウスの父もかつて属州総督としてペルガモンを統治しており、その重税によって住民は苦しめられました。そのため、アクィッリウスも父と同様に住民から恨まれていたのです。

最終的に、アクィッリウスはミトリダテスによって、口の中に煮えたぎる金を流し込まれて処刑されました。この処刑方法は、マルクス・リキニウス・クラッススがパルティア人によって処刑された際にも行われたという記録も残っています。

アクィッリウスの生涯は、マリウスの忠実な部下としての栄光と、その後の失態による悲劇的な最期という、コントラストに満ちたものでした。

もう一度検索