マニラMRT3号線

概要

マニラ首都圏を走るメトロレール・トランジット3号線（MRT-3）、通称メトロスター・エクスプレスは、マニラMRTの路線の一つで、ラピッド・トランジットとして機能しています。同時に、ライトレールとしての側面も持っています。MRT-3は、メトロレール・トランジット・コーポレーション（MRTC）によって建設され、現在はフィリピン運輸省が運営しています。

路線はエドゥサ通りに沿って南北に伸びる1本で、新イエローライン（旧ブルーライン）と呼ばれています。マニラには他にLRT1号線とLRT2号線があり、これらはライトレール・トランジット・オーソリティ（LRTA）によって運営されています。MRT-3の大部分は高架鉄道です。

歴史

M3号線の計画は1970年代に遡りますが、実際に開業したのは1999年で、LRT1号線に次ぐものでした。路線は南端のタフト・アベニュー駅から北端のノース・アベニュー駅まで、全長16.8kmで13の駅があります。1日の乗降客数は60万人を超えており、常に混雑しています。エドゥサ通りの交通渋滞緩和を目的としていましたが、その効果は限定的です。

タフト・アベニュー駅ではLRT1号線、アラネタ・センター-クバオ駅ではLRT2号線、マガリャネス駅ではフィリピン国鉄線に乗り換えることができます。営業時間は、平日は午前5時30分から午後11時まで、土日祝日は午前5時30分から午後10時までです。ほぼ毎日運行していますが、聖週間には整備のため運休となり、その他にも運休する日があります。

路線データ

営業主体:
日本の第二種鉄道事業者に相当: フィリピン運輸省 (DOTC)
日本の第三種鉄道事業者に相当: メトロレール・トランジット・コーポレーション (MRTC)
建設主体: メトロレール・トランジット・コーポレーション (MRTC)
路線距離: 16.8km
軌間: 1,435mm
最高速度: 65km/h
駅数: 13駅
複線区間: 全線
電化区間: 全線電化
地下区間: ブエンディア駅 - アヤラ駅間

車両

3000形
3100形

歴史の詳細

1989年、LRT1号線の開業から5年後、MRT3号線の建設計画が始まりました。香港の企業が落札しましたが、政府の不正契約捜査により工事は遅れました。1995年、MRTCが計画を引き継ぎ、フィリピン運輸省とBOT方式で契約を結びました。建設工事は三菱重工業、住友商事、現地のEEI Corporationが担当しました。1999年12月15日にノース・アベニュー駅 - ブエンディア駅間が先行開業しました。

当初、1日の乗降客数は30万人から40万人と予測されていましたが、駅の階段が急勾配だったり、既存の交通機関との接続が悪かったため、最初の月の乗降客数は1日4万人程度にとどまりました。さらに、最大34ペソという高額な運賃も不評でした。MRTCは、エスカレーターやエレベーターの設置、運賃の値下げを行いました。2000年7月20日には、ブエンディア駅 - タフト・アベニュー駅間が延伸開業しました。

2004年には1日の乗降客数が40万人に達し、マニラ・ライトレール・トランジット・システムを含む3路線の中で最も利用者の多い路線となりました。2012年10月、日本企業との保守契約が終了し、フィリピン企業に切り替えられましたが、契約は短期的なものとなり、保守管理が不十分な状態になりました。2016年1月からは韓国系の企業連合が保守を引き継ぎましたが、1年間で586回もの故障が発生し、速度制限を余儀なくされました。2017年11月、フィリピン運輸通信省は契約不履行を理由に企業連合との契約を打ち切りました。

2019年1月7日、住友商事と三菱重工業が再びメンテナンス業務を受注し、老朽化した車両と設備の大規模改修を行うことになりました。この改修工事は、国際協力機構の円借款が利用されています。

運賃体系

MRT-3の運賃は、LRT1号線およびLRT2号線と同じく距離制を採用しており、10ペソから15ペソです。この運賃は2000年7月15日に定められ、ジープニーよりも少し高く設定されています。当初は期間限定の措置でしたが、運賃値上げに対する反対が強く、現在まで続いています。

政府は、MRTCに対して1人あたり約45ペソの補助金を支払っています。身長102cm未満の子供は無料で乗車できます。

乗車券

2015年7月20日より、非接触式ICカード「Beep」が導入されています。

片道乗車券: 購入当日のみ有効
チャージ式乗車券: 20ペソでカードを購入し、10ペソから10,000ペソまでチャージ可能。LRT1号線、LRT2号線、一部のバス路線、高速道路料金所、コンビニエンスストアなどで利用可能。

駅一覧

（駅名一覧は省略）

延伸予定区間

斜体は未開業

計画

輸送量拡大のため、フィリピン運輸省は1日の乗降客数52万人に対応できるよう車両の追加を検討しています。また、エドゥサ通りに沿ったMRT3号線の延伸計画がありましたが、その区間はLRT1号線が延伸する形で完成しています。LRT1号線とのシームレスな接続を目的とした新駅の建設も進められています。

経営統合

MRT3号線の運営権をMRTCからLRTAに移譲し、経営統合する計画もあります。

脚注

（脚注は省略）

関連項目

フィリピンの鉄道

外部リンク

Metro Rail Transit Corporation (MRTC) 公式サイト (英語)

もう一度検索