マバタキー

マバタキー：瞬き厳禁の15秒勝負！

2012年から2022年にかけて、フジテレビ系列で放送されたバラエティ番組『マバタキー』は、短い時間の中で最大限の笑いを生み出す芸人たちによる、異色のネタバトル番組でした。その名の通り、瞬きする暇もないほどテンポの速い展開と、観客の笑いの反応を勝敗の基準とする斬新な試みが特徴です。

15秒間の真剣勝負：観客の笑いが全て

オーディションを勝ち抜いた芸人たちが、トーナメント形式で競い合いました。与えられた時間はわずか15秒。その短い時間の中で、いかに観客を笑わせるか。芸人たちの創意工夫と、観客の笑いの渦が番組を盛り上げました。勝敗は、観客の笑い声の大きさのみで判定。まさに、瞬発力と笑いのセンスが試される、白熱した戦いが繰り広げられました。

猫型セット：笑いのセンサーとシャッター

番組の象徴的な存在として、大きな猫の顔が描かれた独特のセットがありました。この猫の目は、芸人たちがネタを披露する舞台。そして、耳は笑い声の音量を測るセンサー、まぶたはシャッターの役割を果たしていました。加藤綾子アナウンサー（当時フジテレビアナウンサー）による対戦カードの紹介、司会者3名による「マバタキー！」の掛け声とポーズの後、シャッターが開き、芸人たちが15秒間のネタを披露。オチがついた時点でシャッターが閉まり、勝敗が決まりました。敗者側のシャッターは閉じられたまま退場でしたが、司会者らがコメントを聞きたい場合は、足元のみわずかに開く演出もありました。

第2回：瞬き禁止の15秒、そしてVTR出演者

第2回では、「瞬き禁止の15秒」というサブタイトルが付けられました。さらに、芸人以外の人気芸能人たちがVTRでマバタキー芸を披露するコーナーも新設されました。このコーナーでは、勝敗判定はありませんでしたが、15秒という時間制限も曖昧になり、時間制限を超えるネタも笑いの要素として取り入れられるなど、より自由な演出が見られました。

第3回：新春爆笑ヒットパレードでの復活

約9年の歳月を経て、2022年1月1日、新春番組『第55回新春！爆笑ヒットパレード2022』内で復活を果たしました。今回は前後半2部制の生放送で、出演者は48組（重複あり）。トーナメント形式ではなく、前半戦は大竹賞、後半戦は三村賞を決定する方式に変更されました。セットも2022年の干支である虎に変更され、右目と左目が同時に開く場面もあったりと、新たな試みが取り入れられました。

豪華出演者：司会者、ゲスト、そして出場芸人

司会はさまぁ～ず（大竹一樹・三村マサカズ）が務め、第2回までは加藤綾子アナウンサーも加わりました。第3回では宮司愛海アナウンサーが司会を務めました。スタジオゲストには、三浦翔平、道端アンジェリカ、皆藤愛子、あびる優、波瑠など、各界の著名人が名を連ねました。第2回ではVTR出演として、AKIRA（EXILE）、柏木由紀（AKB48）、ジャッキー・チェン、壇蜜など、豪華な顔ぶれが番組を彩りました。出場芸人も、アルコ＆ピース、COWCOW、サンドウィッチマンなど、人気芸人が多数参加していました。

音楽：マイケル・ジャクソンとザ・ジャクソンズ

オープニング曲にはザ・ジャクソンズの『Blame It on the Boogie』、出囃子にはマイケル・ジャクソンの『Rockin' Robin』のイントロが使用されるなど、音楽も番組の雰囲気を盛り上げていました。

番組の系譜：インパクト！と爆笑ヒットパレード

『マバタキー』は、さまぁ～ずが司会を務めた瞬間芸中心の番組『インパクト！』の流れを汲む番組と言えるでしょう。また、第3回は『初詣！爆笑ヒットパレード』内で放送されたことも特筆すべき点です。

まとめ：笑いの瞬発力と斬新な演出

『マバタキー』は、15秒という短い時間の中で繰り広げられる芸人たちの真剣勝負と、斬新な番組演出、そして豪華な出演者たちが織りなす、唯一無二のバラエティ番組でした。観客の笑いの反応が全てを決定づける、この番組は、お笑い番組の新たな可能性を示したと言えるでしょう。

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