マヒンドラ&マヒンドラ

マヒンドラ&マヒンドラ：インドを代表する自動車メーカーの軌跡

マヒンドラ&マヒンドラ（M&M）は、インドを代表する自動車メーカーであり、多様な事業を展開するマヒンドラ・グループの中核企業です。1945年の創業以来、インドの自動車産業の発展に大きく貢献し、現在では世界的な企業へと成長を遂げています。

創業から多角化への道

1945年、マヒンドラ兄弟とグラーム・モハメッドによって設立された同社は、当初は「マヒンドラ&モハメッド」という社名でした。1948年に現在の社名に変更し、1949年にはジープの生産を開始。この初期の成功が、後の発展の礎となりました。

M&Mは、多目的車（MUV）、小型商用車（LCV）、オート三輪、トラクターなど幅広い製品を製造・販売しています。MUV分野では、ジープのライセンス生産車に加え、「ボレロ」や「スコーピオ」といった独自開発のSUVが人気を博し、市場を牽引してきました。トラクター事業では、マヒンドラ・グジャラートが世界第4位の規模を誇るまでに成長しています。

革新への挑戦として、2006年にはハイブリッド版スコーピオを試作モデルとして発表。また、2014年からフォーミュラEにも参戦し、EV技術開発にも積極的に取り組んでいます。2018年には、フォーミュラEで培った技術を活かした高級EVブランド「Automobili Pininfarina」を設立、高級車市場への進出も果たしています。

グローバルな提携と買収戦略

M&Mは、グローバルな成長戦略として、数々の企業との提携や買収を積極的に行ってきました。

ルノーとの提携と解消

2005年にはルノーと合弁会社「マヒンドラ・ルノー」を設立し、ルノー・ロガンの製造・販売を開始。乗用車市場への進出を果たしましたが、販売不振や戦略の相違から2010年には合弁を解消し、マヒンドラはロガンのインド市場における権利を保有しました。その後、同車は「ベリート」として再発売されました。

双竜自動車の買収

2010年には韓国の双竜自動車の株式の70%を取得し、傘下に入れました。この買収によって、M&Mはグローバル市場での競争力を強化し、SUV市場における製品ラインナップを拡充することができました。

プジョー・モトシクルの買収と売却

2015年にはプジョー・モトシクルの株式を取得し、2019年には完全子会社化。しかし、2022年にはMutaresに株式の50％と経営権を売却しました。

三菱重工業・三菱農機との業務提携

2015年には三菱重工業と農業機械分野で業務提携。三菱農機はM&Mの第三者割当増資に参加し、社名を「三菱マヒンドラ農機」に変更しました。

ピニンファリーナの買収

2015年には、イタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナの株式の76%を取得し、子会社化。デザイン分野での強化を図り、フォーミュラEのマシン開発でも協力関係を築いています。

社会貢献活動

M&Mは、教育分野への貢献にも力を入れています。マヒンドラ・カレッジは、非営利教育機関UWCの一校として、インドの教育発展に貢献しています。

主な車種

M&Mは、オフロード車、SUV、MPV、小型トラックなど、多様な車種を展開しています。代表的な車種には、「タール」、「ボレロ」、「スコーピオ」、「ザイロ」、「ベリート」、「XUV300」、「XUV500」などがあります。

まとめ

マヒンドラ&マヒンドラは、創業以来、積極的な事業展開とグローバルな提携によって、インドを代表する自動車メーカーから世界的な企業へと成長しました。多様な製品ラインナップ、革新的な技術開発、そして社会貢献活動は、同社の持続的な発展の原動力となっています。今後、EV市場やグローバルな競争が激化する中、M&Mのさらなる挑戦と成長に注目が集まります。

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