マプト

モザンビークの首都マプト：歴史、経済、文化が交差する港湾都市

マプトは、モザンビークの南端に位置する首都であり、同国最大の都市です。天然の良港に恵まれ、経済の中心地として重要な役割を果たしています。植民地時代の面影を残す美しい街並みと、活気あふれる現代的な雰囲気が融合した魅力的な都市です。

マプトの概要

マプトはインド洋に面した港町であり、マプト川がマプト湾へと注ぎ込んでいます。この湾は奥行き95km、幅30kmと広大で、天然の良港として古くから利用されてきました。マプト市の経済は、この近代的な港湾を中心に発展しています。

2023年現在の公式な統計による人口は約116万人ですが、実際にはスラムや非公式の居住地域を含めると、さらに多くの人々が暮らしていると推定されています。

マプトの歴史

マプトの歴史は18世紀にポルトガル人によって開かれたことに始まります。当初は、1544年にこの地を探検したポルトガルの貿易商人ロウレンソ・マルケスの名にちなみ、ロウレンソ・マルケスと呼ばれていました。1895年には、南アフリカのプレトリアと結ぶ鉄道が開通し、都市の人口が急増しました。そして1907年、ロウレンソ・マルケスはモザンビーク植民地の首都となりました。

独立後、都市の名前は現在のマプトに改称されました。マプトは計画都市として建設され、街路は整然と直交し、道幅も広く設計されています。しかし、独立の過程でポルトガル人が多数帰国したため、地方から移住してきた人々が住居を占拠する事態が発生しました。彼らは近代的な都市生活に馴染めず、建物を破壊するなど、都市機能に大きな影響を与えました。その後の内戦によって破壊はさらに深刻化し、2004年頃まで都市は荒廃した状態が続いていました。

近年では修復と復興が進み、古い建物の改修に加えて、新たな建物も建設されています。しかし、公共サービスは依然として不安定な状況にあります。

マプトの地理と気候

マプトは、マプト湾の西側、テンベ川の河口に位置しています。気候はケッペンの気候区分でサバナ気候に分類され、年間を通して温暖な気候です。

マプトの経済

マプト港は、モザンビークの経済において重要な役割を果たしています。主な輸出品目は、石炭、綿花、砂糖、クロム、サイザル麻、コプラ、機械類などです。また、モザール社のアルミニウム精錬プラントも重要な産業の一つです。

マプトの交通

マプトには、マプト国際空港があり、国内外へのアクセスが可能です。また、鉄道は隣国の南アフリカ共和国やジンバブエと結ばれています。マプトはモザンビークの南端に位置しているため、鉄道が国土を縦断しておらず、北部との経済格差が課題となっています。

道路は、内戦時代の地雷が残存していることが発展の妨げとなっていましたが、近年は地雷除去が進み、経済はプラス成長に転じています。

マプト港は、南アフリカ共和国のヨハネスブルクを結ぶマプト回廊の主要な港として機能しています。

マプトの教育と文化

マプトには、エドゥアルド・モンドラーネ大学やモザンビーク教育大学などの高等教育機関があります。

また、CDマシャケネ、Clube Ferroviário de Maputo、Desportivo Maputo、CD Costa do Solなど、マプトをホームとするサッカークラブも複数存在します。

文化施設としては、モザンビーク歴史博物館、軍事博物館、自然史博物館、ローマ・カトリックのファティマの聖母大聖堂などがあります。また、トゥンドゥルガーデンと呼ばれる公共広場は、市民の憩いの場として親しまれています。

マプト出身の著名人

マプトは、サッカー選手のエウゼビオ、ブラジルの映画監督ルイ・ゲーハ、詩人のジョゼ・クラヴェイリーニャなど、多くの著名人を輩出しています。

姉妹都市

マプトは、ムババーネ（エスワティニ王国）やリスボン（ポルトガル共和国）と姉妹都市提携を結んでいます。

マプトは、歴史、経済、文化が交差する魅力的な都市です。モザンビークを訪れる際には、ぜひマプトを訪れて、その魅力を体感してみてください。

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