マペット・ビジョン3D

マペット・ビジョン3D

マペット・ビジョン3D（Muppets*Vision 3D）は、かつて世界のディズニーリゾート内に存在していた、シアター形式のアトラクションです。このアトラクションでは、ジム・ヘンソンが生み出した人気パペットキャラクター「マペット」の愉快な仲間たちが登場し、ゲストを迎えました。観客は専用のメガネを装着し、立体的に表現される映像世界に没入する体験をすることができました。

アトラクション概要

このアトラクションの最大の特徴は、単なる3D映像の鑑賞に留まらない、五感に訴えかける演出が施されていた点です。スクリーンの出来事に連動して、劇場内に水しぶきが飛んできたり、風が吹いたり、さらには匂いが感じられたりといった、多種多様な物理的な特殊効果が組み込まれていました。これにより、ゲストはより一層、マペットたちの繰り広げるパフォーマンスを身近に感じることができたのです。同様の形式を採用しているシアター型アトラクションとしては、ファンタジアの世界観をベースにした「ミッキーのフィルハーマジック」や、虫たちの視点から世界を体験する「イッツ・タフ・トゥー・ビー・ア・バグ」などが挙げられます。これらのアトラクションと同様に、マペット・ビジョン3Dも、視覚、聴覚、そして体感的な要素を融合させた、没入感の高いエンターテイメントを提供していました。

かつて存在したパーク

マペット・ビジョン3Dは、世界の複数のディズニーパークに設置されていました。

ディズニー・ハリウッド・スタジオ

アメリカ合衆国フロリダ州、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にあるディズニー・ハリウッド・スタジオにも、このアトラクションがありました。長年にわたり、多くのゲストに愛されてきましたが、この施設は2025年6月7日をもって運営を終了することが公式に発表されています。アトラクションが位置する周辺のエリアを含め、今後はピクサーの人気映画シリーズ「モンスターズ・インク」をテーマとした新しいエリアへと再開発される予定です。これは、パーク全体の活性化とテーマエリアの刷新に向けた動きの一環と見られます。

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー

アメリカ合衆国カリフォルニア州のディズニーランド・リゾート内に位置するディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーにも、かつてマペット・ビジョン3Dが存在しました。こちらは、2001年のパーク開園と同時に、ハリウッドの映画産業をテーマにしたエリア「ハリウッド・ランド」の一部としてオープンしました。しかし、2014年にこのアトラクションは一時的に姿を消します。人気アニメーション作品「アナと雪の女王」の楽曲を楽しめる期間限定ショー「生まれてはじめて:フローズン・シング・アロング・セレブレーション」が開催されることになり、その会場としてシアターが使用されることになったためです。当初は期間限定の変更とされていましたが、その後、マペット・ビジョン3Dが常設のアトラクションとして戻ってくるという公式な発表は行われませんでした。最終的に、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーの公式サイトからこのアトラクションに関する情報が削除され、事実上の閉鎖という形でその運営を終えました。パークの公式サイトから情報が消えたことで、多くのゲストにとっては予期せぬ形でアトラクションとの別れとなった可能性があります。

まとめ

マペット・ビジョン3Dは、立体映像技術と劇場内の特殊効果を巧みに組み合わせることで、マペットたちのコミカルで賑やかな世界をゲストに体感させたユニークなアトラクションでした。ディズニー・ハリウッド・スタジオでは将来的なエリア再開発に伴いクローズが決定しており、ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーでは期間限定イベントへの変更から事実上の閉鎖へと至るという、異なる経緯をたどりました。両パークから姿を消しつつあるこのアトラクションは、マペットファンや、多感覚シアター体験を好むゲストにとって、思い出深い存在として記憶されるでしょう。

もう一度検索